【抄訳】
ソーシャルブックマーキングとWebアノテーションとリサーチツールを提供しているDiigoが今日(米国時間8/19)、そのデザインを一新した。このサイトは登録ユーザが700万おり、これまでずっと自己資金だけでやっってきたが、そろそろ利益を出したいと考えている。同社のファウンダは本誌TechCrunchに、Diigoはまだ健在である、という単純な事実を告げた。この分野は、やめてしまったサイトが圧倒的に多いが、Diigoの健在ぶりには、何か学ぶべきものがあるはずだ。
Diigo(Dee’go, ディーゴゥと発音する) は2005年にオンラインブックマーキングサイトとしてローンチしたが、すぐにWebページのハイライト機能(カラーマーキングによる強調表示)や付箋紙をつける機能を加えて、アノテーション(annotation, 注釈付け)の能力も持った。当時本誌TechCrunchのファウンダMichael Arringtonは、Diigoは好きだけど、類似サイトが多い中で“予選を通過する”のが難しいだろう、と書いた。
それから8年後の今日を見ると、たしかに、予選通過者は少ない。Hypothes.isの調査によると、アノテーションツールを作ろうとした56社のほとんどが、閉鎖、休眠、あるいは伸び悩んでいる。わりと好調なのは、Diigo、Mendeley、DocumentCloud、RapGenius、Goodreaderの計5社だ。ただしMendeleyとGoodreaderは、アノテーションがメインではない。Rapgeniusは自分のサイトにアノテーションできるだけだが、DiigoはWeb全体に対してできる。
Diigoの会長でファウンダのWade Renによると、Diigoと、VCが投資しているRapgeniusだけがアノテーションの分野で生き残った理由は、両者とも、アノテーションがメインのビジネスの一部にすぎないからだ。Rapgeniusはアノテーションを使ってデスティネーションサイトを作っている。Diigoではアノテーションが、パーソナルナレッジ管理のためのリッチなツールの一部だ。Renによると、彼は、アノテーションだけではうまく行かないことを学んだ。だから今ではDiigoには、ソーシャルブックマーキングやコラボレーションによるリサーチ、スクリーンショット、画像の保存、ページのキャッシング、などなどいろんな情報管理ツールがある。
知っている人は少ないが、Webをアノテーションするという考えが、Googleをその後の成功に導いた。2003年にGoogleのファウンダLarry Pageは、こんなことを喋っている(Diigoのページ上でハイライト化…これがDiigoの共有機能の例だ):
“そもそもわれわれは、検索エンジンを作ろう、と思ったわけではない。最初に作ったのは、アノテーションのためのランク付けシステムだった。Webをアノテーションしたい、と思ったのだ。ユーザがどこかのページを見てアノテーションボタンをクリックすると、ほかの人たちがそのページについて言っている優れたコメント*が見られるようにしたかった”。
〔*: 今のようなそのページの正規のコメントではなくて、多くのビジターによるアノテーション。いわば、“分散外付けコメント”。〕
そのランク付けシステムはPageRankとよばれ、Pageによると、“PageRankはアノテーションよりも検索に便利だ、と気づいたのは、ずいぶん後のことだ”。
Diigoの一新されたサイトは、すっきりとして使いやすくなった。検索が大幅に改良され、ブックマークしたページの全文検索もできる。ロゴも変わり、ChromeブラウザのエクステンションDiigo Web Collectorもデザインを変えた。
このツールを使ってユーザは、Webページ上に付箋紙を付けたり、ページの一部をハイライトできる。将来そのページを訪れたときも、それらのノートやハイライトは生きている。それらのDiigoでブックマークしたページは、再度訪れると赤いマークが付いており、スクロールバーの横の黄色いドットをクリックすると、ハイライトした箇所へジャンプする。EvernoteのようにGoogle検索との連動機能もあるので、Google検索からDiigoしたページを見つけることも容易だ。
【後略】
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))