今年初めのデベロッパカンファレンスBuildでMicrosoftは、Internet Explorerの今後のバージョンに関しては、導入を検討している新しい機能ついて積極的に情報開示をする、と約束した。そのとき同社は、そのためにstatus.modern.ie(GoogleのChromium Dashboardのようなもの)の初期的バージョンをローンチし、そして今日(米国時間5/28)は、このサイトのベータ期間の終了を告げた。サイトの一般公開は大事件ではないが、それと同時にMicrosoftは、IEの次のバージョンに導入される機能のリストをアップデートした。
今開発が進行中のものの中には、World Wide Webの基盤となっているプロトコルHTTPの次期バージョンHTTP/2のサポートがある。IE11はすでにGoogleのSPDYプロトコルをサポートしているが、それはHTTP/2のベースでもある。MicrosoftはIEにHTTP Strict Transport Securityを加える作業も進めている。これはセキュアな接続における中間者攻撃を防ぐためのセキュリティ機能で、ChromeやFirefoxは前からサポートしている。
このほか、Web AudioとMedia CaptureのAPIが新たにサポートされる。これらはローカルデバイス上のWebカメラやマイクロフォンからのビデオ/オーディオストリームにアクセスする機能だ。
しかしデベロッパにとってさらに関心が向くのは、JavaScript Promisesのサポートだろう。これは、これまで一貫してシングルスレッドだったJavaScriptに、待望の並列処理/非同期処理をさせるための標準ライブラリで、今後はJavaScript本体の標準機能になると言われている。ここに詳しいチュートリアルがある(日本語文献)。
以上は、予定リストにあるものの一部だが、併せて“現在予定なし”のリストもある。Skypeなど独自技術に固執するMicrosoftがWebRTC v1.0を近々に実装しないのは意外でもないが、Googleの画像フォーマットWebPや、MathML、Web SQLなども“予定外”となっている。
でも、MicrosoftがWebのスタンダードをめぐって見せるこのような透明性は、新鮮な印象を与える。もちろんもっと良いのは、こんなことを一々気にする必要がないくらい、すべてのブラウザの機能が同一であることだが、とくにChromeとFirefoxとInternet Explorerの三者は、機能やその実装時期に、いつも微妙な、ときには大きな、違いがある。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))