レシート買取アプリのWEDが寄付アプリ「dim.」をリリース、寄付を身近に、簡単に

寄付をより身近に、簡単にするdim.

寄付をより身近に、簡単にするdim.

レシート買取アプリ「ONE」などを提供するWEDは3月18日、スマホから3ステップで簡単に寄付できる無料アプリ「dim.(ディム)」をリリースした。dim.は寄付先に個人情報が共有されない。寄付金額は1000円からとなっており、寄付が初めてのユーザーも気軽に行うことができる。

寄付アプリdim.の開発背景

WEDは2016年に設立し、2018年にリリースしたレシートや画像がお金に変わるアプリのONEは、2020年に100万ダウンロードを超えた。2021年3月8日からは全国の一部エリアでONEのテレビCMを放送するなど、これまでONEに力を入れてきた。

現在、人や社会、環境に配慮した消費行動「倫理的消費(エシカル消費)」が世の中で注目を集めている。「消費の未来を追求する」というコンセプトで事業を展開するWEDは、エシカル消費をより身近なものにしようとdim.を開発するに至った。

dim.の開発にはもう1つ理由がある。WEDの山内奏人代表が2020年末に救急車で病院に搬送され、医療現場のひっ迫した現状を目の当たりしたことだ。幸いなことに山内氏の体調は回復したが、大変な状況下でも人を救う医療従事者の姿を見た時に感じた「自分でも何かできないのか」という想いが開発のきっかけとなったという。

寄付を身近に、簡単にするdim.

 寄付を行うまでの壁を取り払う

寄付を行うまでの壁を取り払う

これまで、テレビやインターネットのニュースなどで大変な状況を知り、寄付をしたいと考えたことはないだろうか。しかし多くの人が「どこに」「どうやって」寄付をすればいいのか、その具体的な方法がわからず、実際に行動を起こせないことも少なくなかった。

そのため、WEDは簡単に寄付ができる仕組みを作り上げた。まずdim.では寄付先を選び、寄付プランを決める。住所やクレジットカードといった支払情報を入力した後、SMSに届いたメッセージから支払いをするだけで寄付が完了する。支払方法はクレジットカードやApple Payでも可能。2回目以降は支払情報の入力をスキップできる。WEDは消費者が寄付を思い立った瞬間に行動を起こしやすくすることで、エシカル消費の普及を促進していく狙いだ。

dim.はリリース時点で、災害支援や人道支援を行うピースウィンズ・ジャパンと、日本動物愛護協会、子供の貧困問題などを支援するフローレンス、民間の国際援助団体のセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、東日本大震災で被災した子供を支援するハタチ基金の5団体が寄付先として選択できる。

寄付金額の下限は1000円で、上限は100万円とした。ユーザーは寄付プランとして1000円、2000円、5000円、1万円、10万円、50万円、100万円の7つから、希望する金額を選ぶ。また、dim.を介した寄付は、寄付団体ごとの寄付総額や支援者数がアプリ画面からリアルタイムに把握できるようになっている。

寄付を行ったユーザーには、返礼としてWEDから寄付プランごとに異なるオリジナルステッカーが届く。一方、寄付はdim.から一括して行うため、寄付団体からの返礼品などはないという。

なお同社のマネタイズは、WEDは寄付団体からアプリへの掲載料などは取らずに、寄付人数と金額に応じて手数料を取る。

dim.をマーケットプレイスのように

今後は寄付先となる団体を増やしていく他、寄付金額の拡張をユーザーのニーズを踏まえて検討する。この他、3月10日時点でアプリ対応機種はiOS 14以降となっているが、iOSの利用状況などを考慮してAndroid版のリリースを決める。

WEDは「dim.で寄付を身近に、簡単に体験して欲しい。中長期にはdim.を通して世の中の情報と寄付をシームレスに繋げることで、マーケットプレイスのようなカタチになっていくはず。また、我われの理念に共感してくれるメーカーなどとコラボレーションもしていきたい」と語った。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:WEDdim寄付資金調達エシカル消費 / 倫理的消費日本

ECサイトでのお買い物から最大15%「現金」還元、レシート買取で話題を呼んだWEDの新サービス「C」

c.app

クレジットカードやショッピングサイトを利用すると貯まるポイント。各種ポイントを集めて活用する「ポイ活」に勤しんでいる読者も多いかもしれない。

レシート買い取りアプリ「ONE」を運営するWED(2020年1月、同社はワンファイナンシャルからWEDに社名変更している)は、2月17日に新たに会員制ショッピングサイト「C」(シー)を立ち上げた。Cはポイ活でよくある購入金額の何%かを還元するショッピングサイトとよく似ているが、還元するのがポイントではなく現金なのが特徴だ。

掲載店舗の一例

Cは電話番号で登録して利用できる。Cを経由して、提携するECサイトでお買い物をすると、購入後に現金還元分がサービス内の「ウォレット」に反映される仕組みだ。会員制ではあるが利用料は無料。還元率はECサイトによって異なり、2%から最大15%となる。貯まったお金は800円から出金できる。その際、出金手数料はかからない。Cの提携サイトは「ファッション」「お出かけ」「ギフト」「グルメ」「家具/家電」の5つのカテゴリーに該当する31店舗を掲載している。ファンションだと「JEANSmate」や「ドクターマーチン」、ギフトのセレクトショップ「TAMP」などが掲載店に含まれる。

オフラインに次ぎ、オンライン購買の最適化へ

これまでONEを通じオフラインでやってきた取り組みを、オンラインでもできないかと考えたのがCの開発の経緯とWEDの代表取締役を務める山内奏人氏は話す。

TechCrunch Japanでも度々取り上げているのでご存知の方も多いかもしれないが、簡単に説明するとONEはスマホで撮影したレシートを最大10円で買い取ってくれるサービスだ。2018年6月にサービスローンチ以降、これまでに120万アプリダウンロード、20万月間アクティブユーザーを達成し、累計5000万枚のレシートを買い取ってきたという。

企業にとってONEは購買データの取得だけなく、店舗への送客や販売促進の面でも活用が広がっていると山内氏は説明する。例えば、ONEで特定の商品のレシートを高額で買い取るキャンペーンを行うことでその月の売上を伸ばしたり、新商品を出す際に100%キャッシュバックキャンペーンを実施して商品のサンプリングを行ったりすることに使われているという。

ユーザーにとっては普段なら捨ててしまうレシートでいくらか収入が得られる。企業にとっても顧客のことがよくわかり、販売促進にもつながる。Cを展開することで、WEDはオフラインで生まれたこの好循環を今度はオンラインでも実現したい考えのようだ。

c howto

私もさっそくCを触ってみた。今のところ掲載しているECサイトは31店舗なので、使うタイミングは限られてしまういそうだが、使い方は非常にシンプルでわかりやすいと感じた。ウェブサイトなのでアプリをダウンロードする手間なく、すぐに始められるのもいい。

「ちゃんと自分たちが使えるサービスを作ろうというコンセプトのもと、自分たちが使いたいサービスはどういうサービスかをよく考えて、実装しています」と山内氏はサービスの設計について話している。ポイント還元ではなく、現金還元にしたのも使い勝手を考えてのことなのだそうだ。ポイントはその性質上いずれ失効する可能性があるし、今はあまりにたくさんのポイントサービスで世に溢れかえっている。Cの開発のためにさまざまなポイントサービスを試してきたが、使い勝手がいいと感じたものはあまりなかったそうだ。Cは現金還元を採用し、使いやすさを追求することで、これまでこうしたサービスを使ってこなかった層にも使ってもらえることを期待していると山内氏は話す。

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