中国のテック大手が軒並み、コンテンツや配信に関わるゲーム提携を強化するために買収や投資の可能性を探る中、同国のゲーム業界では競争がますます激化している。
一番最近ではこのたび、中国の若者に人気の動画配信プラットフォームbilibili(ビリビリ、哔哩哔哩)が大規模なゲーム提携を結んだ。同社は9億6000万香港ドル(約1億2300万ドル、約136億円)を、こちらも中国で人気のゲーム配信プラットフォーム「TapTap」を運営するX.D.Networkに投資することで合意したと、中国時間4月1日に発表した。
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香港とニューヨークの二重上場企業であるbilibiliは、X.D.の普通株式2266万株を1株あたり42.38香港ドル(約603円)で購入し、4.72%の株式を取得する。
両社は、X.D.社のゲームとTapTapを中心にした一連の「緊密なコラボレーション」を開始すると述べているが、詳細は明らかにしていない。
bilibiliは、アマチュアやプロのクリエイターが制作した動画コンテンツの宝庫として知られているが、収益の大部分をモバイルゲームから得ており、2020年には後者が収益の40%を占めていた。この比率は、2018年には71%、2019年には53%と徐々に減少しており、ゲームの配信以外にも収益源を多様化しようとしていることがうかがえる。
Tencent(テンセント)も同様に、長年にわたり収益の柱としてゲームを重視してきた。WeChat(ウィーチャット)を運営するTencentはオリジナルタイトルや、コンテンツ運営やプロモーションを支援する広大な投資ポートフォリオを通じて、中国のゲーム市場を支配している。
X.D.もゲームを制作しているが、近年は、従来のゲーム配信会社(スマートフォンメーカーが運営するAndroidアプリストア)に対する反逆者として台頭してきた。X.D.はHuawei(ファーウェイ)やXiaomi(シャオミ、小米科技)のように高い手数料を取らず、広告で収益を上げるというビジョンを掲げている。X.D.の提案は、急成長中のスタジオであるLilith GamesやmiHoYo、Alibaba(アリババ)、6年間で3000人の強力なゲームチームを構築したByteDance(バイトダンス)など、数多くのゲーム会社を同社の投資家として惹きつけてきた。
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bilibiliの投資は、X.D.のトップクラスゲーム投資家のマトリックスをさらに強化するものだ。Tencentは目立って不在だが、ByteDanceがAlibabaに次ぐ同社の新たな宿敵であることは周知の事実だ。ロイターによると、TikTok(ティックトック)の親会社であるByteDanceは最近、東南アジアで地歩を固めているゲームスタジオ、Moontonを買収するためにTencentに競り勝ったという。TikTokの中国版であるDouyin(抖音)も、WeChatで公開されているコンテンツからユーザーの注目を奪おうとしている。
カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:bilibili、X.D.Network、投資、ゲーム実況
画像クレジット:Gao Yuwen / VCG / Getty Images
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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)