「アジアのSlack」ことJANDIを提供するToss Labが約13.8億円を調達

Slackアジアへの投資に力を入れる中(Slackブログ)、韓国に拠点を置いて企業向けコラボレーションプラットフォームのJANDIを開発するToss LabはSlackの手強いライバルになろうとしている。Toss Labは米国時間9月1日、ソフトバンクグループのアーリーステージベンチャー部門であるSoftBank Ventures Asiaが主導したシリーズBで1300万ドル(約13億8000万円)を調達したと発表した。このラウンドにはSV Investment、Atinum Investment、Must Asset Management、Shinhan Capital、SparkLabs、T Investmentも参加した。

2014年に創業したToss Labは、このラウンドによりコラボレーション分野の韓国企業として初めて調達金額の累計が2000万ドル(約21億2500万円)に達したと述べた。

同社は、JANDIは韓国と台湾でトップのコラボレーションプラットフォームであるとしている。同社のサービスは、中小企業から従業員が数千人クラスの大企業にまで利用されている。クライアントには、韓国のコングロマリットのITサービス子会社であるLG CNS、韓国タイヤメーカーのNexen Tire、Lexusなどがある。Toss Labは過去3年間で売上が2倍以上になったという。

Toss LabのCEOであるMatthew Kim(マシュー・キム)氏はTechCrunchに対し、シリーズBの資金でグローバル展開を拡大し、従業員数を20~25%増やすと述べた。

アジア市場におけるJANDIの新規ユーザー数は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大中に80%増加した。リモートワークで利用できるよう、JANDIはZoomと統合し、セキュリティを強化し、高度な管理ダッシュボードを開発した。

このプラットフォームは現在、英語、中国語、日本語、韓国語、ベトナム語に対応している。そして日本、台湾、マレーシア、ベトナム、中東での事業を拡大していく計画だ。

2019年10月にSlackは、日本とオーストラリアに新しいデータリージョンを開設するなど、アジアへの投資を強化する計画を明らかにしていた。

しかしキム氏は、JANDIの最大のライバルはSlackではなく、むしろLINE、カカオ、WhatsApp、Zalo、Facebook Messengerといった人気メッセージングアプリと競っていると言う。アジアではこうしたメッセージングアプリで仕事のコミュニケーションをとっている人が多数派だとキム氏は語る。アジアでは、Slackは一部のスタートアップやテック企業で使われている。コラボレーションプラットフォームとしては日本ではChatwork、ベトナムではBase.vnがトップで、JANDIは韓国と台湾でトップだ。

JANDIの利点は「それぞれの地域に特有のレガシーシステムとの統合を進め、各地に企業のオンボーディングをサポートするチームがいることだ」とキム氏は語る。また、短期的には日本と台湾が最も成長が見込まれる市場で、アラブ首長国連邦やマレーシア、インドネシアがそれに続くとも述べた。

ほかのコラボレーションプラットフォームと同様に、JANDIもメッセージングとグループチャットの機能を提供している。しかしアジア市場の仕事の文化に合わせたと同社が語るコラボレーションツールもある。具体的には、部署ごとに従業員を探せる組織図、会社の発表やレポートを公開する「掲示板」、最大300人が同時に参加できるビデオ通話、領収書の読み取り、機密書類を保管するセキュアなファイル管理システムなどだ。

資金調達に伴い、Toss Labには新たに4人の取締役が加わった。Ticket Monster創業者でBass Investment創業者のDaniel Shin(ダニエル・シン)氏、カカオの元最高戦略責任者で同じくBass Investment創業者のJoon-yeol Kang(カン・ジョンヨル)氏、SoftBank Ventures AsiaのCEOのJP Lee(JP・リー)氏、SBI Investment KoreaのCEOのJoon-hyo Lee(イ・ジョンホ)氏だ。SendbirdのCEOのJohn S. Kim(ジョン・S・キム)氏とBespin Global創業者のHan-Joo Lee(イ・ハンジョ)氏は、Toss Labの顧問になる。

画像クレジット:Toss Lab

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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