米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は「ギグワーカー」を守るための法案「AB-5」に署名した。AB-5は最近カリフォルニア州下院および上院を通過した。
「本日、我々は現状維持を破壊し、中産階級を再構築して労働者の未来を再建するための大胆な一歩を踏み出した」と同法案を起草したロレーナ・ゴンザレス議員が声明に書いた。「世界最強水準の経済圏として、カリフォルニアは他の州や国の規範となるべく労働者保護の世界標準を設定しようとしている」。
AB-5は、ギグエコノミーの労働者が最低賃金や労災補償などの給付を受けられるように、雇用者がABCテストを適用することを義務付けている。最初に同法案が出されたのは2018年12月で、Dynamex Operations West対ロサンゼルス最高裁判所の裁定を成文化することを目的としていた。その判例では、法廷がABCテストを適用し、Dynamexが労働者を個人契約者であると誤って分類していたと判定した。
そのABCテストによると、ある労働者を独立自営業者として合法的に分類するためには、労働者が雇用者の管理や指示の支配下になく、雇用者の事業範囲外で働き、定期的に他の独立した業務や類似する事業に従事していることを証明する必要がある。
「カリフォルニアには賃金保証や保険と柔軟性のバランスのとれた思慮深い解決を望む大多数のライドシェアリングドライバーを支援する可能性がまだある、という点でニューサム知事にわれわれは同意する」とLyftの広報担当者であるAdrian Durbin[エイドリアン・ダービン)氏がTechCrunch向けの声明で語った。「我々は知事のリーダーシップの下で歴史的合意に達することができると信じている。しかし必要であれば、ドライバーと乗客の望む自由と権利を守るためにこの問題を州民投票にかける準備がある」。
先週Uberは、ドライバーを個人事業主として扱うためにはどんなことでもする、という意思を表明した。
「我々は引き続き妥協による合意を主張する」とUberの法務責任者、Tony West(トニー・ウェスト)氏が先週の電話会見で語った。
先週Uberが説明したように、同社は最低賃金を保証し、引き継ぎ可能な年金を与えるとともにドライバーが「団結して発言する」ことを可能にする枠組みを作ろうとしている。
さらにウェスト氏は、2020年の州民投票の基礎づくりのための法的、政治的な方法も引き続き追究していくと語った。UberとLyftは、6000万ドルの共同プロジェクトを先月発表しており、Uberはさらに投資を増やすことも辞さないと同氏はコメントしている。
「これは我々の第一選択肢ではない」とウェスト氏は言った。「それと同時に我々は、あらゆる選択肢と代替案を検討して21世紀経済にふさわしい枠組みを推進していかなくてはならないが、我々はそのための枠組みをすでに持っていると確信している」
Uberをはじめとするギグエコノミー企業の反対にもかかわらず、同法は2020年1月1日に施行される。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )