「ビデオコンテンツの分析ニーズは巨大になる」 ― ソーシャル管理のHootsuiteがSnapchatにも対応

企業向けのソーシャルメディア管理ツールを提供するHootsuiteが、Snapchat上のアクティビティをトラッキングする術を手に入れた。同社は米国時間21日、Naritivが開発したSnapchat分析ツールを買収すると発表したのだ。ロサンゼルス出身のNaritivは、StoryをはじめとするSnapchatコンテンツをいち早く提供してきたスタートアップだ。

今回のディールによって、DisneyやGreylockなどのVCから累計で400万ドルを調達したNaritivがHootsuiteに吸収されるわけではない。その代わりに、同社はみずからが開発した分析ツールをHootsuiteに売却し、「『ケーブル』という言葉の意味も知らない世代向けにコンテンツを提供する」メディアを創るという、彼らの野望を実現させようとしている。

買収価格などは公表されていないが、HootsuiteがNaritivの株式を取得したり、同社に資本参加したりすることはないようだ。今回取材をしたHootsuite共同創業者兼CEOのRyan Holms氏、およびNaritiv共同創業者のDan Altmann氏によれば、今回のディールにより、分析ツール関連のテクノロジーとNaritivの従業員3名がHootsuiteに加わることになる。この従業員たちはバンクーバー出身のHootsuiteが新たに構えるロサンゼルスオフィスで勤務することになる。

Hootsuiteはこれまでに1500万のユーザーを獲得している。その内の「数十万」が課金ユーザーだ。Hootsuiteを利用することで、ユーザーはTwitterやFacebook、LinkedInなど数十種類のソーシャルメディアを一括して管理することが可能だ(元々Hootsuiteはtwitterの管理ツールとして誕生した)。そして、今回の買収によりHootsuiteが対応するソーシャルメディアにSnapchatが追加されたのだ。

Hootsuiteが今回の買収を決めたのは、現段階ですでにSnapchat上のアクティビティが多いからというわけではない。実際、今年はSnapchat関連の収益よりも、AdEspressoなどのFacebook関連の収益の方が多くなるだろうとHolmes氏は語っている(AdEspressoはFacebookでネイティブアドを運用するためのツール。同社は今年の2月にこのツールを買収したばかりだ)。

Holmes氏(カナダ人)によれば、Hootsuiteが買収を決定したのは「ホッケー選手はパックが向かう方向を目指して滑る」からだという。

彼の言葉を言い換えれば、企業やブランドはこれからユーザーが増えそうなソーシャルメディアに向かっていく、そして、今もっともユーザーを惹きつけているソーシャルアプリの1つがSnapchatだということだ。そのため、今後HootsuiteはSnapchatコンテンツの作成支援やその効果測定ツールなどを提供していく。そこで今回買収した分析ツールの出番となるのだ。

「私たちのロードマップにおけるSnapchatの存在感がますます高まっています」とHolmes氏は話す。「現在、そして将来の顧客ニーズに最適なプラットフォームを構築したいと考えています。将来、ビデオコンテンツの分析ニーズは巨大になると私たちは考えています」。

元々この分析ツールは、Naritiveやその顧客が作成したSnapchatコンテンツの効果測定ツールとして誕生したものだ。しかし、面白いことに、Hootsuiteはこのツールを他のプラットフォーム向けにも利用しようとしているようだ。

このツールの分析対象として考えられるのがFacebookのコンテンツだ。先日、FacebookはSnapchat Storyと似た機能をInstagramに追加した。また、より最近の話では、Messengerにも同様の機能が追加されるというニュースもあった。この影響でSnapchatの成長速度が鈍化している。

Hootsuiteの累計調達金額は2億5000万ドル以上。CEOのRyan Holmes氏によれば、同社のバリュエーションは10億ドルを「はるかに上回って」おり、キャッシュフローはポジティブだという。

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(翻訳: 木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

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TechCrunch Japan

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