Disney(ディズニー)は、Premier Accessによるストリーミング戦略を支持し、劇場映画がすぐには元に戻らないことを暗に認めているかのように、「Black Widow(ブラック・ウィドウ)」「Cruella(クルエラ)」を劇場公開と同時にDisney+で配信することを発表した。
つまりDisney+の加入者は、5月28日に自宅で実写リメイク版となる「クルエラ」を見るために、1回限りとなる追加の29.99ドル(約3300円)を支払うか、あるいは7月9日に「ブラック・ウィドウ」を観るために同じことをするかを選ぶことになる(これらの映画は後に、Disney+のすべての加入者が追加料金なしで視聴できるようになる)。
ディズニーはこの戦略を2020年秋の実写版「Mulan(ムーラン)」や、2021年3月初めのアニメ作品「Raya and the Last Dragon(ラーヤと龍の王国)」の公開時に初めて試した。同社はPixarの「Soul(ソウルフル・ワールド)」など他の映画も追加料金なしでDisney+に直接公開しており、6月18日には同社の「Luca(あの夏のルカ)」も同様に公開するとしている。
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ディズニーの他の大型作品も何度も延期されており、例えば「ブラック・ウィドウ」は元々。2020年5月1日に公開されるはずだったが、Marvel Studios(マーベル・スタジオ)のトップであるKevin Feige(ケヴィン・ファイギ)が、同作品のDisney+への直接配信を拒否したと伝えられている。(新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、マーベル・スタジオが公開する映画はこれが初めてとなる)。
しかし、ディズニーの経営陣は長く待つことをいとわないのかもしれない。また、マーベルの映画やDisney+の新番組は相互に関連していることが多いため、1つのリリースを遅らせるためには、同時に他の複数の作品も遅らせる必要がある。
ワクチン接種が進み、新型コロナウイルスの感染者数がピーク時より減少する中、映画館はロサンゼルスやニューヨークなどの主要市場で営業を再開しているが、収容人数は減少しており興行成績はパンデミック以前の水準を大きく下回っている。
このような不確実性(および一般的なストリーミングへの移行)に直面して、ハリウッドの他のスタジオは2021年の劇場公開予定作品について、さまざまなハイブリッド戦略を採用している。Warner Bros.(ワーナー・ブラザース)は2021年はHBO Maxで全作品を同時公開し、またParamount(パラマウント)は劇場公開の30日から45日後にParamount+で作品を配信する予定だ。
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(文:Anthony Ha、翻訳:塚本直樹 / Twitter)