「真実は明かされつつある、止めることはできない」:NSA内通者エドワード・スノーデンは語る

最も有名な逃走者にして元NSAの内部告発者、Edward Snowdenが、GuardianブログのライブQ&Aセッションで読者の質問に答えた。Snowdenは、国家安全保障局(NSA)によるベライゾンの全通話記録 に関する極秘裁判所命令をリークして以来、国際的に有名/悪名を轟かせている。

Snowdenは香港の隠れ家から姿を消して以来、初めてこのオンラインQ&Aに登場した。全テキストはこちらで読める。本誌が選んだ発言を以下に載せる。

情熱、高潔なる情熱

「これだけは言える。米国政府が私を投獄あるいは暗殺してもこれを隠蔽することはできない。真実は明かされつつあり、止めることはできない」

ハイテク企業の否定について

「彼らの否定発言は何度も訂正され、誤解を招きやすい表現や、各社を通じて同一、特定の表現が使われていることが、徐々に明らかになってきた・・・彼らがプログラムの詳細について沈黙を守ることは法的に受け入れざるを得ないが、倫理的責任は逃がれられない。例えば、もしFacebookやGoogle、Microsoft、Appleが、諜報機関への協力を拒否したら、政府はどうすると思う? 閉鎖する?」

内通者の告発について

「私は、正当な軍事目標に対する米国の行動を一切暴露していない。NSAが大学、病院、私企業などの民間インフラをハックしたことを指摘しただけであり、それは危険だからだ。これらの露骨で侵略的な犯罪行為は、標的によらず正しくない・・・私は中国政府とは接触していない。GuardianとWashington Postとがそうであるように、私はジャーナリストとしかやりとりしていない」

「あと、私がディック・チェイニー元副大統領のような人々から裏切者呼ばわりされていることを忘れてほしくない・・・ディック・チェイニーから裏切者と呼ばれることはアメリカ人として最高の栄誉だ」

暗号化は有効、そこそこは

「暗号化は有効。正しく実装された強力な暗号化システムは、頼りになる数少ない方法の一つだ。残念ながらエンドポイント・セキュリティーは弱すぎるので、しばしばNSAに破られる」

背景政府の監視を逃がれるためのアプリケーションにはいくつか人気製品があるが、どれも完璧ではない。例えばAppleは、iMessageやSMSでは、送り手と受け手だけがそれぞれの端末でデータを復号できるので(エンドツーエンド暗号化)、NSAに耐性があると主張している。エンドツーエンド暗号化は、送り手と受け手とで異なるサービスを利用している場合、NSAに傍受されても解読が難しい。セキュリティーの高いネットサーフィンをするなら、人気の匿名ブラウザー、TORが 充実したハウツーブログ記事を用意している。しかし、もしSnowdenを信じるなら、NSAはたとえ暗号化サービスを利用している人々であっても、その殆どを見つける手段を持っている。

主要メディア:ガールフレンド > 大規模な監視

「残念なことに主要メディアは、私が17歳の時に言ったことや、どんなガールフレンドなのかの方が、この人類史上最大の疑わしい監視行為よりもずっと関心があるようだ。

励ましの言葉:TechCrunchはSnowdenのガールフレンドの写真を載せたことはない(もちろんリンクを貼るつもりもない)。

信じていた希望。今は・・・

「オバマ大統領は、公約に掲げた問題を解決することを約束しわれわれはそれを信じた。多くのアメリカ人も同じように感じた。残念なことに、権力を得たわずか後に、彼は組織的法律違反調査の門を閉ざし、プログラムの乱用を拡大し、グァンタナモで見られるような人権侵害を終らせるために政治資金を投じることを拒んだ」

NSAと令状なき監視

「NSAはいくつかの理由で『国内』というずるい表現を使っている。真実は、FISA[外国諜報活動偵察法]の改訂案とその702項を根拠に、アメリカ人の通信は日々収集および監視されている・・・令状は簡単に判を押す信頼できる判事に送るための様式にすぎない」

いや、彼はスパイではない、本当に

「考えてみてほしい。もし私が中国のスパイならなぜ直接北京に飛ばないのか。今頃豪邸で不死鳥を飼って暮らしているだろう」

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(翻訳:Nob Takahashi)