オフィス向けの置き野菜サービス「OFFICE DE YASAI」を運営するKOMPEITOは5月14日、第三者割当増資と融資を合わせて総額約4億円の資金調達を実施したことを明らかにした。出資元はニッセイ・キャピタル、iSGSインベストメントワークス、静岡キャピタル、広島ベンチャーキャピタルと日本政策金融公庫の各社だ。今回の調達は、2017年3月発表の総額1.5億円の資金調達に続くものとなる。
KOMPEITOが2014年から提供するOFFICE DE YASAIは、冷蔵庫設置型のオフィスの置き野菜サービスだ。従業員への福利厚生や健康経営の一環として、2020年5月現在、累計1500拠点以上に導入されている。野菜中心の冷蔵庫設置型プラン「オフィスでやさい」に加え、2018年7月からは、冷凍庫設置型の置き惣菜プラン「オフィスでごはん」も提供する。
今回の資金調達により、KOMPEITOではサービスのCS機能、人員強化と商品・サービスの強化を行うとしている。また物流や商品など、これまで手がけてきた事業アセットを活用した新規事業も推進するという。
商品・サービス強化の一環としては、サラダやフルーツが中心だった冷蔵庫設置型のオフィスでやさいプランに惣菜を取り入れたリニューアルを行い、“置き野菜”から“置き社食”サービスに進化した。1日の中でも需要が高いランチ時間帯に、より昼食として利用しやすいよう、肉や魚を中心とした惣菜メニューをラインアップとして加える。
食事になる惣菜やご飯に加え、サンドイッチなどもそろえる予定。オフィスに設置した冷蔵庫へ届ける。従業員は商品を1個100円からの価格で、昼食時だけでなく、朝や残業中などの好きな時間に購入することができる。
新型コロナウイルスの感染拡大で、在宅勤務を導入する企業も増える中、KOMPEITOでは4月23日から、個人宅向けにサラダのサブスクサービス「OUCHI DE YASAI(おうちでやさい)」もスタートした。
5種類のメニューが3カ月ごとに入れ替わるサラダごはん2個が毎週1回届く「サラダプラン」は通常価格6000円/月から、サラダごはんとカットフルーツ、味付きたまご各2個のセットが毎週1回届く「バランスプラン」は通常価格8000円/月からとなっている。現在は東京都と神奈川県の一部エリアへの配達に限られるが、牛乳宅配店などとの提携で物流シェアリングすることで、エリアを順次拡大していく予定だ。
また、KOMPEITOでは4月16日から、物流業界と病院、クリニック、介護施設を対象に、OFFICE DE YASAIの初期導入費用5万円を無料、月額利用料を導入初月から3カ月間半額とするキャンペーンも実施している。5月末の申し込み分までがキャンペーン適用となる。
KOMPEITO代表取締役CEOの渡邉瞬氏は今回の調達にあたり、「サービス開始から6年、前回の資金調達から約3年、紆余曲折あったが1500を超えるオフィスに導入させてもらい、約5倍の成長をすることができた。調達を通してOFFICE DE YASAI事業の更なる拡大のためにCS・サービス強化に注力していく。また地銀系VCに加わっていただき、地方進出や商品仕入れ面での連携を期待している」とコメント。「加えて『おうちでやさい』など、今まで築き上げて来たオフィスチャネル、ラストワンマイル物流、商品企画・仕入れのアセットを生かして事業開発にもチャレンジしていく」と述べている。
また、新型コロナウイルス感染症の影響については「オフィス向け食の福利厚生サービスなので、影響は受けているが、自分たちが社会に対して価値提供できることを考え、今できることを全力で取り組んでいきたい」と渡邉氏はコメントしている。