「one visa」で外国人採用者のビザを一括管理、運営元が総額3600万円を調達

外国人が日本に滞在し、就労するには適切な在留資格が必要だ。必要情報を記入した申請書とその他添付書類を揃えて入国管理局に在留資格の申請をするという流れなのだが、初めての人にとって揃えるべき書類は多岐にわたり、申請書類の書き方も分かりづらいという課題があった。

Residenceは、この在留資格の申請と管理を簡潔にするone visaのオープンベータ版を本日より提供する。また、同時にプライマルキャピタルとSkyland Venturesを引受先とする、総額3600万円の第三者割当増資を発表した。

one visaは企業が採用する外国人の在留資格の申請と管理を行うためのサービスだ。企業側はアカウントを作成したら、在留資格を申請する外国人をメールで招待する。企業側は企業情報を入力し、外国人は個人情報などの申請に必要な情報をフォームに従って入力する。すべての情報が揃うと在留資格の申請書が自動で作成され、PDF書類としてダウンロードできる仕組みだ。

また、one visaでは企業と社員が入力した情報を元に、在留資格を取得するのに最適な書類を一覧で表示する。ダッシュボードからは申請の状況も管理でき、在留資格の更新時期が来ると適宜ユーザーに通知する機能もある。

one visaの利用料は登録する外国人社員の人数によって異なるが、5人までだと月額3980円だ。また、one visaでは1件4万円で行政書士に代理申請を依頼することも可能だ。

Residenceの代表取締役を務める岡村アルベルト氏は、日本人の父親とペルー人の母親を持つ。10代の頃に友人の強制送還を目の当たりにしたことをきっかけに、在日外国人の環境を整備する仕事をしようと決心したという。その後、入国管理局の受付窓口責任者を経て、Residenceを起業した。

入国管理局に勤めていた頃、申請書類に不備が多いことを問題に感じたと岡村氏は話す。そもそも申請書類の書き方はルールが細かく定められていることに加え、使われている用語が初めて申請する人にとって分かりづらいことが多かった。また、行政の制度は度々変わるにも関わらず、個人や企業への周知ができていない。one visaはこうした課題を解決し、企業の担当者も外国人も簡単に申請書類が作成できるようにするために開発したという。

厚生労働省のデータによると、2016年の外国人労働者を雇用している事業所数はおよそ17万3000社で前年比13%増だった。年間2万社が新しく外国人を雇用している。初めて外国人を雇用する企業は、当然ながら、在留資格の申請も初めてということになる。そうした企業にとっても使いやすいサービスを提供すると岡村氏は話す。

今回調達した資金は、サービス開発のための人員強化を予定しているそうだ。現段階ではone visaは法人向けだが、個人向けでもサービスを提供していきたいと岡村氏は言う。

将来的にone visaの在留資格の情報を不動産の賃貸契約や銀行口座の開設の際の与信情報として活用できるようにすることを岡村氏は考えているそうだ。在留資格の申請は、個人情報をはじめその人の収入、納税、課税情報を元に申請しているため、正しい情報が揃っている。日本では外国人が部屋を借りたり、口座やクレジットカードを開設するのが難しいという課題があるが、そうした問題も解決できるようにしたいと岡村氏は話している。

 

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TechCrunch Japan

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