今年Y Combinator(ワイ・コンビネーター)この夏バッチに参加したスタートアップの4分の1に女性の起業家がいた。PitchBookによると、2019年に米国で、女性起業家が1人以上いる会社が獲得したベンチャー資金が全体の約11%に過ぎないことを考えると、悪くない数字だ。起業家が女性のみの会社が獲得した資金はわずか3%だった。
しかし、まだまだ改善の余地はある。
こうした資金格差を埋めるべく、いくつかの女性起業家向けに考えられたプログラムは、事前に助言を与え育てることで、ベンチャーキャピタリストを印象づけようとしている。「Ready, Set, Raise」は、女性のための女性によるアクセラレーターで、女性やノンバイナリー(女性でも男性でもない第三の性別)の起業家がさらに多くの資金を調達したり、少なくとも投資家との関係を構築したりするのを手助けするプログラムだ。
シアトル拠点の起業家と投資家のネットワーク「Female Founders Alliance」(FFA)が作ったアクセラレータープログラムは、第2回目のバッチに参加したスタートアップを発表した。セックステック、ポッドキャスター向けのAIベースツール、工事現場や工場で働く女性向けに作られた作業服などさまざまなビジネスがある。
Ready, Set, Raiseは、Microsoft for Startupと提携して、起業家に12万ドル(約1300万円)のAzureクレジットを提供するとともに、米国レドモンド拠点のソフトウェアの巨人の幹部が技術、ビジネスに関してアドバイスをする。他のパートナーには、Brex、Cartaという、いずれも豊富な資金を調達した会社がいて、スタートアップの財務、企業評価、資金調達条件など関して幹部が起業家に助言する計画だ。
「FFAとMicrosoftは、女性やノンバイナリーの起業家に与えられた機会はまだまだ少ないことを認識している」とMicrosoft for StartupsのマネージングディレクターであるIan Bergman(イワン・ベルイマン)氏が声明に書いた。「VC世界が必要としているこうした変化を協力して推進することを楽しみにしている」。
FFAの創業者/CEOで2017年に組織を立ち上げたLeslie Feinzaig(レスリー・フェインザイグ)氏は、起業家とベンチャーキャピタルの多様化について率直に語る擁護派であり、親でもある起業家たちに自覚とリソースを与える。
「私の資金調達の経験は、自分が女であり、新米ママでもはあっことによるところが大きい」と、かつて教育技術のスタートアップを創業したフェインザイグ氏がSeattle Business Magazineで語った。「1年後、投げ出す寸前だった。それでも私はFacebookグループを立ち上げ、知っている起業家やテクノロジー系スタートアップのリーダーたちを呼び寄せた。それこそが私の必要としていたグループで、私のつらい経験をよく理解してくれる人たちが集まっていた。そうやってFemale Founders Allianceは生まれた」。
Ready, Set, Raiseは、6週間のプログラム期間中参加企業に児童保育を提供する。企業は10月16日に行われるデモデーを目指して、経験あるコーチ陣から1対1で訓練を受ける。
Ready Set, Raiseの第2バッチのスタートアップは以下のとおり。
- Echo Echo:AIベースのポッドキャスター向けツール
- Give InKind:生涯の主要なイベントを支援する
- Honistly:自動車の保証期間を延長をして短期の出費を抑える
- Juicebox It:チャットボットを使って性生活のアドバイスを行う
- Panty Drop:XS~6XLサイズまでの女性用下着通販
- >The Labz:クリエイティブコンテンツ開発をリアルタイムで保護、記録するプラットフォーム
- Tougher:機能的で着心地のよい女性熟練工向け作業着の販売
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )