「SmartHR」利用企業が1年半で5000社を突破、8000人規模の企業での採用も

SmartHR(旧社名:KUFU)は6月19日、労務管理クラウド「SmartHR」の利用企業が、6月12日に5000社を突破したと発表した。また同時に、7月4日より、社会保険の「算定基礎届」の電子申請機能を公開することも明らかにした。

SmartHRは労務関連の書類自動作成、オンラインでの役所への申請、人事情報、マイナンバーの収集・管理やWeb給与明細などの機能を備えたクラウド型の労務管理ソフトウェア。2015年11月の正式版リリースから約1年半で、利用社数が5000社を突破したことになる。

SmartHRでは、従業員5名以下の小規模企業を対象とした「¥0プラン」を2016年9月に提供開始することで、利用の裾野を広げる一方、従業員1000人以上の企業による導入も増えているそうだ。複数店舗が多い業態の飲食チェーン、アパレル業、宿泊業のほか、農園、寺院、新聞社など、IT以外の業種での採用もあるという。

特にアパレル、飲食チェーン、宿泊業など、複数店舗が多い企業での導入が進んでいることについて、SmartHRでは「本社にバックオフィスを集約していること、各店舗の店長には労務知識がないが、本部とスタッフとのやりとりには店長をはさむことが共通している。スタッフも店長も本部も多忙で、(人事労務情報のやり取りのための)印刷代、郵送代などのコミュニケーションコストが高くついている。そうした中、SmartHRでは情報収集機能や、人事マスター機能、閲覧や操作の権限管理機能を強化していて、そこがニーズに合致したのではないか」と分析している。

5月には、飲食チェーン「てけてけ」や「the 3rd Burger」など57店舗を展開し、従業員約1700人を抱えるユナイテッド&コレクティブでの導入が発表されたほか、8000人規模の企業による採用も決定しており、その他、数千人〜1万人を超える従業員数の企業からの導入決定や検討も進められているそうだ。

また7月4日には、SmartHRに「算定基礎届」の電子申請機能が追加される。これにより、7月10日が申告期限となる「年度更新」「算定基礎届」の2つの手続きで電子申請に対応、ペーパーレス化を実現する。「年度更新」については申告と合わせて労働保険料の納付が必要だが、通常、労働基準監督署や金融機関の窓口で行う支払を、SmartHRからネットバンキングで行うことができる。さらに今回の「算定基礎届」の電子申請対応により、手続きをパソコンだけで完了させることが可能となる。

SmartHRでは、こうした機能追加・改善による各種手続きの利便性向上や、人事マスタ機能の強化に加え、今後、周辺クラウドサービスとのAPI連携強化や、業務提携による新製品開発も視野にいれている、ということだ。

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TechCrunch Japan

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