「Spotifyまとめ2021」にアーティストのビデオメッセージ、Blendそしてゲームまで登場

Spotify(スポティファイ)の年末恒例「Spotifyまとめ」が、ユーザー、アーティスト、ポッドキャスト制作者に提供開始された。これは、ユーザーがSpotifyでの過去1年を振り返る機会を提供し、音楽とポッドキャスト両方での自身視聴トレンドにハイライトを当てるものだ。一方、アーティストやクリエイターは、ファンがどのように視聴したかを確認することができる。2021年、まとめにはいくつかの変更が加えられた。例えば、自分のまとめと友人のまとめを比較できる「Wrapped Blend(まとめブレンド)」などの新機能に加え、TikTokでの共有のサポート、アプリ内の新しいまとめゲーム、アーティストからファンへのビデオメッセージなどが追加された。

また、Spotifyは2021年、ライブオーディオチャットルームアプリ「Spotify Greenroom」をまとめ体験に導入し、厳選されたアーティストのライブショーを開催する。

通常、Spotifyまとめでは、過去1年間のトップソング、アーティスト、ポッドキャスト、その他のリスニングトレンドを振り返ることができる。しかし今回、Spotifyはまとめのデータの一部を映画のようなスナップショットとして提示する。つまり「2021:映画」として表示され、オープニングクレジット、戦闘シーン、強烈なモンタージュ、ライバルのダンスクルーとの対決など、映画の重要な瞬間やシーンと、ユーザーが知っている楽曲を組み合わせて表示してくれる。

画像クレジット:Spotify

また、2021年は、Spotifyのトップチャートに影響を与えてきたTikTok(ティックトック)にも敬意を表している。TikTokは、アプリ内のお気に入りのミームを人気曲に合わせることで、副次的に音楽サービスでの再生を促進している。まとめには「Bones Day」や「Good Soup」など、TikTokのトレンドからポップカルチャーの一部へと変容したさまざまなTikTokミームへの参照も見られる。また、Spotifyユーザーは初めて、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Twitter(ツイッター)、Snapchat(スナップチャット)に加えて、TikTokにもまとめカードを共有できるようになった。

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もう1つの新機能である、Wrapped Blendは、Spotifyの既存のプレイリストマッチング機能であるBlendをベースにしたもので、ユーザーは自分のまとめと友人のまとめを比較して、そのテイストがどのようにマッチするかを確認することができる。そして、そのブレンドをストリーミング再生したり、ソーシャルメディアで結果を共有したりすることができる。

また「Audio Aura」と呼ばれる新しいストーリー機能があり、自身の1年をジャンルの境界を取り除いた視点で見ることもできる。視聴行動に基づく上位2つの「ムード」が視覚的に表現される。

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また、人気ゲーム「Two Truths and a Lie」をベースにしたアプリ内ゲームも新たに追加された。ユーザーは、過去1年間の自分の視聴に関するいくつかの文章を友人と共有し、どれが真実かを推測し合うというものだ。このインタラクティブな形式は、友人にも一緒にプレイしてもらうことで、より多くのソーシャルシェアやエンゲージメントを生む可能性がある。

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さらにもう1つの機能は、Cameo(カメオ)のようなセレブ向けソーシャルアプリからヒントを得ており、お気に入りのアーティストやクリエイターからのビデオをユーザーに提供するというものだ。Spotifyは、170人以上のアーティストやクリエイターと協力して、彼らファンへ、この1年視聴してくれたことや、まとめに入れてくれたことを感謝する短いビデオを撮影した。ユーザーは、参加したアーティストやポッドキャストのホストが自分のまとめに登場すれば、そのビデオを見ることができる。

少数のポッドキャスターとアーティストが、最も熱狂的なファンを招待して、Spotifyのライブオーディオアプリ「Greenroom」で、彼ら自身のまとめの結果などについて語ってくれる限定のQ&Aセッションを行う予定だ。参加者には、Ivy Le、JESSIA、Johnny Orlando、bbno$、DPR LIVE、Aurora + Sub Urban、Benito Skinner & Mary Beth Barone、そしてSpotifyのXavier “X” Jerniganが含まれる。1時間の長さになるこれらのGreenroomルームは、パスワードで保護されており、トップファンにのみリンクがメールで送られる。ただし、Spotifyの自社番組である米国東部標準時12月7日午後9時の「Most Necessary Live」と米国東部標準時12月8日午後9時の「LOREM Life」の2つの番組では、まとめをテーマにした一般公開のエピソードを放送する。

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公式アプリ内のSpotifyまとめハブが本日より展開され、年末のプレイリストなどのよくあるラインナップが用意されている。このハブには「Your Top Songs of 2021」や「Your Artists Revealed」といったパーソナライズされたプレイリストが含まれている。また、データに基づいて作成された、世界やユーザーの地域のトップアーティストの楽曲を集めたプレイリストや、2021年のベストニューポッドキャストなども含まれる。

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クリエイターやアーティストは、本日から自分のマイクロサイトにアクセスできるようになり、ファンの動きを振り返ったり、その他の関連データを閲覧したりできるようになる。

最近のSpotifyのShopify(ショッピファイ)との統合により、アーティストのトップファンリストに含まれたファンには、今後数週間にわたり、彼らのマーチャンダイジングを購入できるリンクがメールで送られる。

まとめの発表に加えて、Spotifyは、2021年にサービス全体でトップだった音楽とポッドキャストを明らかにした。91億回以上の再生を記録したプエルトリコ人ラッパーのBad Bunnyは、2021年に最も再生されたグローバルアーティストとなり、続いてTaylor Swift、BTS、Drake、Justin Bieberとなった。

2021年に最も再生された曲では、11億回以上の再生を記録したOlivia Rodrigoの「drivers license」で、続いてLil Nas Xの「MONTERO (Call Me By Your Name)」、The Kid LAROIの「STAY (with Justin Bieber)」、Olivia Rodrigoの「good 4 u」、Dua Lipaの「Levitating (feat. DaBaby)」の順となった。

上位のアルバムは、Olivia Rodrigoの「SOUR」、Dua Lipaの「Future Nostalgia」、Justin Bieberの「Justice」、Ed Sheeranの「=」、Doja Catの「Planet Her」だった。

最も人気のあったポッドキャストは「The Joe Rogan Experience」「Call Her Daddy」「Crime Junkie」「TED Talks Daily」「The Daily」だ。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

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TechCrunch Japan

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