専門知識がない人でも無料でネットショップが作れる「STORES.jp」のストア数が、20万店を突破した。2012年9月にサービスを開始して以降、ストア数は毎月5%程度の右肩上がりを続けてきたが、2014年9月にリリースした「フォロー機能」によってストア数が急増。9月以降は毎月15%以上の伸びをキープしていて、対前年比では270%の成長だという。
フォロー機能とは、特定のストアの最新アイテム情報を、STORES.jpの自分のページで受け取れるようにするもの。お気に入りストアの新着アイテムを逃さないようにする、「買い手」のための機能だ。それがなぜ、ストア数の拡大につながったのか。STORES.jpを運営するブラケットの光本勇介社長によれば、こういうことらしい。
「ストアをフォローする際には、STORES.jpのIDを取得します。それがきっかけでSTORES.jpのことを知り、それまで買い手だった人が『自分も開いてみようかな』となり、ストアオーナー側になることが増えています。感覚的には、ブログの閲覧者が気付いたら書く側になっていた、というような動線です。」
ブログの読み手が書き手に転じるのは、それなりにハードルが高そうに思える。ただ、ことショッピングというジャンルでは、「ストアを持つ行為に興味が無い人が少ないので、まずはトライしていただけることが多い」と光本氏は話している。「フォロー機能のリリース前後では、毎月のストア純増数に4倍くらいの差がある」。
あくまで「ストア数」がすべてではないが、参考までにSTORES.jpの競合として挙げられるBASEの店舗数は約13万店。また、流通額は桁違いに違うものの、大手ECでは楽天市場が約4万店、Yahoo!ショッピングが約19万3000店と、STORES.jpの方が多かったりする。
STORES.jpは20万店突破を記念して、これまでの歴史と現状がわかるインフォグラフィックを公開している。それによれば、一番売れているストアの年商は約2億円、ストアオーナーの最高齢は92歳といったことがわかる。ちなみに、年商約2億円のストアは、自分のブランドを立ち上げたクリエイターが立ち上げたもので、92歳のおじいちゃんは手作り感満載のパッチワークを売っているそうだ。