スマートフォンアプリやアドテク領域での事業を展開するユナイテッドは2月3日、エンジニア向けのオンラインスクール「Tech Academy」を運営するキラメックスを買収し、完全子会社化することを明らかにした。買収額は約6億円。
キラメックスは2009年2月の創業。当初はグルーポンモデルのクーポン共同購入サイト「KAUPON」を展開。創業期にエンジェル投資家(現:ヤフー執行役員ショッピングカンパニー長兼CFO室長を務める小澤隆生氏)、その後グロービス・キャピタル・パートナーズなどから資金を調達してサービスを拡大するも、2013年には同事業をサイブリッジに売却。売却を検討していた2012年半ばからは、新事業としてTech Academyを展開してきた。
当初はオフィスの一部を教室にしてオフラインでのスクールを展開してきたが、2015年5月からはスクールをすべてオンライン化。「オンラインブートキャンプ」をうたい、ウェブアプリ、iPhoneアプリ、WordPressの3つのコースを展開してきた。同社によると、インターネット関連上場企業をはじめ100社7000人以上の教育実績を持つという。
ユナイテッドは2015年後半から、スマホ、アドテクに次ぐ新事業を模索していた。「スクラッチで事業を立ち上げることからM&Aまで幅広く検討している中で、Tech Academyと出会った。ユナイテッドの持つオンラインプロモーションのノウハウや顧客基盤を掛け合わせることでTech Academyの成長加速と収益拡大を見込む」(ユナイテッド代表取締役社長COOの金子陽三氏)
「Tech Academyで3年やっている事業。時間は掛かったがオンライン化してしっかりと伸びてきた。ここからスケールするために外部資本を調達することも考えたが、昨年(ユナイテッド)オファーをもらった。ヒト・モノ・カネを一気に得てサービスをここで成長させることがユーザーにとっても重要だと考えた」キラメックス代表取締役社長の村田雅行氏はこう語る。
グロービスからの調達で2億円、当時のバリュエーションも気になるところだが(もちろん資金調達とM&Aではバリュエーションについて同じように考えてはいけないと思っている。すごくざっくり言えば、調達では「未来」を見越した価格になるのに対して、M&Aは「今」の価格になる)約6億円という金額について、「フルタイム6人でここまでのサービス規模まで育てて、今もグロースしている。他のオファーもなかった訳ではないし、グロースしてから売却すると言うことで価格を上げることは正直できたと思う。ただ何よりサービスの成長が重要」(村田氏)だったという。同氏は今後もTech Academyの事業に注力する。またTech Academyのユーザーへの影響はない。
なおユナイテッドでは同日、キラメックスの買収とあわせてトレンダーズ傘下だったSmarpriseへの出資・子会社化も発表している。