おつり投資アプリ「トラノコ」がセブン銀行から20億円を調達、事業拡大に向けて協業加速へ

おつり投資サービス「トラノコ」を展開するTORANOTECは1月31日、セブン銀行と資本提携を締結したことを明らかにした。事業拡大に向けた戦略的パートナーシップを前提とした提携で、セブン銀行がトラノコへ20億円を出資する。

これまでも何度か紹介しているトラノコは、クレジットカードや電子マネーなどによる買い物の“おつり相当額”を用いて手軽に資産運用ができるサービスだ。

具体的には連携している家計簿アプリや、トラノコおつり捕捉サービスに登録したクレジットカードの買い物データに連動したおつりを投資する。おつりは3段階から設定でき(100円、500円、1000円)、たとえば320円の買い物をしたとすると、100円単位設定なら80円、500円単位設定なら180円、1000円単位設定なら680円が該当。毎月1回、その月に選択したおつりの合計が自動で投資に回る仕組みだ。

ユーザーは3つのファンドから1つを選ぶだけで、世界中の株式や債券などに5円から分散投資できるのが特徴。トラノコ自体はTORANOTECの完全子会社であるTORANOTEC投資顧問が運営している。

TORANOTECは2016年8月の創業で、同年12月にセブン銀行やニッセイ・キャピタル、リアルワールドから出資を受けたことを発表。2018年4月には楽天キャピタル、東海東京フィナンシャル・ホールディングス、だいこう証券ビジネス、パラカ、東京電力エナジーパートナーなどから資金調達を実施した。

今回資本提携を結んだセブン銀行は初期からの株主であるとともに、「リアルおつり投資」実証実験プロジェクトなど事業面での連携も進めてきた。今後はさらに強固なパートナーシップを確立し、「消費から投資へ」の実現に向けた協業を加速させる計画だ。

両社の代表はプレスリリース内で以下のようにコメントしている(一部抜粋)。

「『貯蓄から投資へ』と言われている中、日々のお買い物の延長で、おつりやポイントを投資できるという全く新しい投資スタイルは、近くて便利なコンビニに金融を取り込んできた我々の事業戦略とも親和性が高いと考えています。今後トラノテックと幅広く連携することで、さらなるポテンシャルが引き出されることを期待します」(セブン銀行代表取締役社長の舟竹泰昭氏)

「誰にとっても身近なコンビニ等で幅広く事業を展開するセブン銀行との連携は、大変貴重な機会だと考えております。今後セブン銀行と密接に連携して人々の生活にさらに寄り添う魅力的なサービスの構築を目指すと共に、より容易に投資ができる仕組みを提供することで、引き続き、『自分の将来に向けて資産を運用することは当たり前』という投資文化の醸成に注力してまいります」(TORANOTEC代表取締役社長のジャスティン・バロック氏)

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TechCrunch Japan

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