Slackが成功した最大の理由は、社内コミュニケーションの円滑性と透明性を高めたことにある。今度はそのエンタプライズメッセージングサービスが、User Groups(ユーザグループ)を導入することによって、より大きな集団のコミュニケーションを支えようとしている。
この新しい機能では、通知をたとえば特定の部課だけに送ることができる。社内の技術者だけ、とか、カスタマサービスの連中、マーケティングの連中などのユーザグループを設定して、そのグループ全体に瞬時に通報できる。このところ大きな企業の全社的な採用を目指しているSlackにとってこのグループ制は、それを支える骨格の一つだ。この機能が使えるのは、有料プランのユーザのみである。
このグループ制の導入と並行してSlackでは、初めてサインオンしたユーザを、設定に従って自動的に特定のグループに入れることができる。たとえば新社員たちがSlackを使い始めるとき、この機能があればアドミンの面倒な作業も不要になる。
また、Slackのアクティブなユーザグループのすべてを、PingやOneLoginなどのSSOプロバイダを伴うActive Directoryにマップできる。これにより、多数のグループをSlackに加えることが、簡単にできるようになる。
全社員が毎日のようにSlackを使うようになると、これらの機能がきわめて重要だ。今や170万もの人たちがSlackを使って、毎日チャットしている。
ところで、任意の時点でそのときSlackを使っている人はどれだけいるか? 答は100万名である。うち、有料ユーザは47万名だ。
これらの機能はすべて、大企業顧客を増やしたい、彼らのニーズに奉仕したい、というSlackの意欲の表れだ。今では、eBayやSpotifyもSlackのユーザなのだ。