このドローンは、室内をクラッシュせずに飛び回って人命を救助する


ビルが火事だ。中にはまだ人がいるかもしれない。

伝統的には消防隊員を探査に送りこむ ― しかしそれは、さらなる命を危険に曝すことになる。もっと良い方法がはずだ、そうだろう?

ロボットを使うこともできるが、近代ロボットの大半は、例えば階段といった卑劣な敵の前にたちまち惨めに失敗する。

ドローンを飛ばすこともできるが、概してこいつは室内と相性がよくない。プロペラの一つでも壁に当たれば、瞬時に床に激突する。

さらに悪いことに、もし人に当たれば、ドローンのプロペラは肌を傷つけるに十分な能力を持っている。燃えさかるビルの中に閉じ込められたあなたは、自分を助けるはずの物体から攻撃されるのだ。

そこでGimBallの登場だ。メチャメチャすごいドローン変種だ。

GimBallのドローン部を包んでいるケージは、3つの目的を果たす。壁や天井に沿って転がる、プロペラが人を傷つけるのを防ぐ、そして衝撃を吸収して飛行を続けさせる。

ケージは複数軸のジンバル(gimbal:”GimBall”という名前の由来)構造によって支えられ、中心の機体にあるプロペラやカメラとは独立して自由に回転できる。

実際、その見た目はディストピアSFの悪夢から抜け出てきた何かのようだ ― スターウォーズのドロイデカハーフライフのマンハックとマッシュアップしたようなもの。しかし、反逆者を追いかける代わりに、こいつは人の命を救う ― そしてIRカメラ(煙の中を見るため)とその耐衝撃シェルのおかげで、このドローンがそう遠くない未来にまさしくそれを実行するところが容易に想像できる。

そして他の人たちも同意しているようだ。GimBallを作っている会社、Flyabilityは、国際Drones for Good競技会で、20以上の参加者を破り、賞金100万ドルを獲得した。

残念ながら、今はまだプロトタイプだ ― 同社は来年くらいには商品化したいと考えているが、今すぐ手に入れることはできない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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