すべてのSPACが純粋なゴミというわけじゃない

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みなさんこんにちは。先週は短い1週間だったが(米国は5月31日月曜日が祝日だった)、ここ数日のうちに扱ったニュースの多さにかなり参っている。そこで、一旦立ち止まって、愚痴をこぼしつつ、ちょっとした気休めにSPAC(特別買収目的会社)の話をしよう。

ただし、米国時間6月6日の月曜日にはBabylon Health(バビロン・ヘルス)のSPACについて掘り下げる予定だが、今回はSPACの投資家向けプレゼンテーションの分析をするわけではない。今回はその代わりに、SoFi(ソーファイ)とBarkBox(バークボックス)の白紙小切手取引(SPACのこと)について話したい。

両社とも、しばらく前に公開が行われた後、先週から取引が開始された。ものごとは順調に進んだのだろうか? SoFiの公開企業としての最初の動きについてCNBCは以下のように書いている。

Social Finance(ソーシャル・ファイナンス)の略称を名前としたSoFi(ソーファイ)が、ベンチャーキャピタル投資家のChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏が所有する白紙小切手会社(SPAC)のSocial Capital Hedosophia Corp Vと合併して上場した。株価は12%以上上昇し、22.65ドル(約2478円)で終了した。

これはSoFiにとっての勝利であるばかりでなく、ここ数カ月やや翳りの見えるSPACへの投資で、いくぶん苦戦しているチャマス・パリハピティヤ)氏にとっても良い結果だ。もちろん、SPACによる公開はすべて投機的なものだが、一部の一般投資家は企業のファンダメンタルズよりもパリハピティヤ氏の評判の方を重視していたようだ。そもそも他に何ができるだろう。

BarkBoxも、Barrons(バロンズ)が報じたように、SPAC統合が完了した後先週取引を開始したときには、まったく問題がなかった。

BarkBox(ティッカー:BARK)の株価は水曜日(米国時間5月2日)には約7.5%上昇し、午後には12ドル(約1313円)前後で取引された。これにより、同社の市場価値は24億ドル(約2627億円)近くになった。

その後、BarkBoxの株価はやや下落したが、SPAC当初の価格を下回ることなく推移している。これは、設立が発表されたときよりも市場の状況が変化していることを考えると、勝利と言えるだろう。

1週間に2つの良い結果が出たことは、SPACの世界そのものや、市場にいる白紙小切手(SPAC)側やスタートアップ側の無数のプレイヤーにとって朗報だ。もちろん、今回の2つの確たる結果がトレンドを生み出すわけではないが、着実に収益を上げている企業にとっては、SPACルートは世間が噂するほどには穴だらけの道ではないということは明らかだ。

暗号資産への賭け

SPACが基本的には胡散臭いと思っているのなら、白紙小切手(SPAC)ブームと暗号資産の組み合わせについて話を聞いて欲しい。以下にお話ししよう。

今週、暗号資産に特化しステーブルコインを特に好むCircle(サークル)が4億4千万ドル(約481億4000万円)を調達した。USDC(USD Coin)というステーブルコインで知られる同社にとって、これは多額の資金であり、SPACのIPOを検討しているとも言われている。

ところでステーブルコインとは何だろう?それは法定通貨と連動している暗号資産(仮想通貨)だ。ご想像の通り、USDCの場合には米ドルと連動している。ステーブルコインは、暗号資産の世界の中での有用な法定通貨代替物で、非常に人気があることがわかっている。

CircleのUSDCは、228億ドル(約2兆4950億円)相当が流通しており、CoinMarketCapのデータによれば、1日の取引額は数十億ドル(数千億円)だという。悪くない!しかし、この会社が一体どのようにして魅力的な粗利益率の下に莫大な収益を上げているのかは、あなたの謙虚なるしもべである私にとってそれほど明確ではない。これは、一度に5億ドル(約547億円)近い民間資金を確保した会社には、当然明確化が期待されることだ。

だから、今度ばかりは、SPACをして欲しい。もちろん莫大な数字の中身を早く見たい、という好奇心からだ。

成長は?

先日Ron Miller(ロン・ミラー)記者と私は、いくつかの公開企業の決算報告書を調査した。その結果、一部の企業では、ご自慢のデジタルトランスフォーメーションの加速本当に実現していることがわかった。

先週のニュースには、その議論の続きがあった。例えば、Zoom(ズーム)の業績は、私たちの仮説を裏づけるものだった。その2022年第1四半期の売上高は、2021年第1四半期と比較して191%増加した。それはまさに目を見張る好成績だ。

その一方で、Dropbox(ドロップボックス)とBox(ボックス)は、先週外部の投資家から新たな圧力を受けた。かつて非公開市場の寵児であった2社は、成長の壁にぶつかり、そのために攻撃を受けている。「成長かさもなくば死を」は、単なるスタートアップ向けの助言ではない。それは、ソフトウェア企業が自らの運命を握り続けるために必要なことなのだ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:The TechCrunch ExchangeSPAC暗号資産ステーブルコイン

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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