たった1滴の血液で128通りの血液検査ができるGenalyteが3600万ドルを調達

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Theranosに似た血液検査デバイスを開発するGenalyteは本日、Khosla VenturesとRedmile Groupがリード投資家を務めたラウンドで3600万ドルを調達したことを発表した。

サンディエゴを拠点とする同社は、たった一滴の血液で128通りの血液検査を行うことができるラボ・オン・チップデバイスを開発する企業だ。同社はこれをMaverick Detection Platformと呼び、1回のテストにかかる時間は15分以下だ。

Genalyteが自社で開発するシリコンチップにはフォトニック結晶を利用した共振センサーが多数搭載されており、これを利用することでリウマチなどの病気の検診をすることができる。現在申請中のFDAの認可を受けることができれば、このテクノロジーを外来患者にも利用することも可能だ。

これまでにGenalyteはInstitutional Review Boardの許可の元、一滴の血液で実施できる同社の血液検査と、従来の血液検査の正確性を比較することを目的とした臨床実験を実施している。今回調達資金も追加の臨床実験を実施するための費用に充てる予定で、それにより規制機関からの認可を受けるための準備を整える構えだ。

Genalyte CEOのCary Gunnによれば、これまでの臨床実験ではポジティブな結果が生まれており、同社のテクノロジーを次のフェーズに進めるための準備は整ったと話している。この臨床実験の結果は11月12日に開催されたAmerican College of Reumatology(ACR)でも発表されている。

Genalyteのテクノロジーはすでに製薬業界で商用利用されているものだが、Gunnは同デバイスをもっと「患者に近いところ」で利用できるようにしたいと考えている。つまり、外来の患者を研究室に送り出し、検査の結果が出るまでに何日もかかるというようなものではなく、診察室で1滴の血液を採取するだけで、その数分後には血液検査の結果が出ているというような形だ。

この計画は、TheranosがWalgreensと業務提携をした当初のビジネスプランに近い。ユーザーが午前中にWalgreensの店舗の中に設置されたTheranosの研究室に行って少量の血液を採取すれば、午後にはその結果をアプリで見ることができるというものだ。

しかし、そのプランに対する業界からの目は懐疑的だった。特にTheranosに対しては。Gunnによれば、GenalyteはTheranosの失敗から学び、何度も臨床実験を重ね、プロダクトの有効性を確実なものにしてから消費者に提供していく予定だという。同社はすでに臨床実験の成果を学術雑誌を通して発表している。ここがTheranosとの違いだ。さらに、Genalyteの創業者は医学のバックグラウンドを持ち、創業当初から積極的に医学界から人材を登用してきた。これもTheranosは怠ってきた。

「業界関係者はデータを見たがります。彼らが見たいのは実際に臨床実験を行っている姿とその結果です。それが彼らとの関わり方であり、それには時間がかかります」とGunnは語る。「メディアにはこの業界がつまらないものに写ってしまうかもしれませんね」。

問題の渦中にあるTheranosを血液検査のブレークスルーを成し遂げられる唯一の企業だと信じる者もいる。しかし、それを成し遂げる可能性が高いのはGenalyteなどの企業だ。

「血液検査は大きく変化しようとしている業界であり、Genalyteはその変化の主唱者です。彼らは血液検査のあり方だけでなく、精密医療のあり方を変えようとしているのです」と語るのは、Khosla Venturesを率いるVinod Khoslaだ。「検査結果をタイムリーかつ正確に提供するために、厳格な科学的プロセスにコミットし続ける彼らとのパートナーシップを深めることができたことを、私たちは誇りに思います」。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

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TechCrunch Japan

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