やっぱり、AppleはBeats Musicを畳んでiTunesに吸収する


先月私は、AppleがBeats Musicを閉鎖し、iTunesで音楽ストリーミングを始めるだろうと報じた。Appleは、Beats Musicの閉鎖を明確に否定した

あの後すぐ、「本件に詳しい匿名筋」が都合よく次々と現れ、AppleがBeats Musicを、ブランドを含めどう料理するかついて論争が始まった

当時本誌が指摘したように、それはBeats MusicがiTunesに吸収されるだろう、ということの別の言い方だった。そしてそれは、Wall Street Journalが今日(米国時間10/23)書いたことそのものだった(WSJは本誌を引用するのを忘れたに違いないと私は思う)。「AppleはBeats Musicを再構築し、iTunesの一部として来年再スタートさせる。本誌に詳しいある人物による」

やっぱりね。

Beatsの買収が正式になる前に私が書いたように、iTunesの幹部がBeats Musicを買いたがったのは、彼らも音楽ダウンロードが急降下していることを知っていて、ストリーミングに美しく移行する方法が必要だったからだ。そして驚くなかれWSJはこう書いている、「Apple Inc.におけるデジタル音楽の売上は、本件に詳しい筋によると、今年に入ってから13~14%減少しており、音楽業界の早期景気回復の難しさを浮き彫りにしている」。

ダウンロード売上の衰退とストリーミングの急上昇を受け、Appleはストリーミングに本気で取り組む必要に迫られていた ― Spotify、Google Music、Deezerらに水をあけられる前に。そこで、5月時点の有料購読者が25万人しかいないBeats Musicに投資するよりも、8億人のユーザーと4万枚のクレジットカードが登録されているiTunesにストリーミングを取り込むことをAppleは選んだ。

Appleは音楽で儲ける必要がない。単なる客寄せ、即ちiPhone、iPad、MacBook、およびiMacという同社の高利益率商品の売上を促進する方法である。それに加えてAppleの業界に対する影響力を踏まえれば、iTunesがストリーミングと共に再スタートを切る時には、例えば月間5ドルといった、Spotifyの10ドルよりずっと安い購読料金で折り合いをつけられるかもしれない。

低料金、巨大なユーザー基盤、そしてAppleハードウェアという配信チャネルが揃えば、iTunesのストリーミングサービスとの争いは厳しい戦いになるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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