最近では、どこに行くのにもスマートフォンを持っていくようになった。そうした状況を鑑み、アイオワ州運輸省では運転免許をアプリケーションにしてしまおうと考えているそうだ。
アプリケーションには、従来の運転免許と同様の情報を掲載するのだとのこと。警察や空港のセキュリティでも、このアプリケーションを正当なIDカードとして取り扱う予定にしているのだとのこと。
デジタル免許証情報の正当性確認にはPINコードを用いるのだと、運輸省のスポークスパーソンであるAndrea HenryがCNNのインタビューに対して述べている。将来的には指紋認証ないし顔認証を使う予定にもしているとのことだ。
なるほど便利そうだが、問題もある。たとえば複数のデバイス上で同じID情報を表示できるようにもなるわけだ。また、スマートフォンにID情報のすべてを担わせることには問題があるのかもしれない。免許証の情報をデジタル化することで、むしろ自己証明が難しくなる(他の情報を組み合わせる必要が生まれる)という側面もあるのかもしれない。
この電子免許証については、2015年の早い段階で実現予定だという話もあった。しかしプライバシー問題など、実現を妨げる問題もいろいろと予測されている。Wall Street Journalの記事によれば、運輸省側の実用に向けたタイムラインはまだまだ流動的であるようだ。
白バイなどに突然止められたときには、スマートフォンの画面をロックすることもできないだろう。そのような状況で、警察官はスマートフォンに表示される免許証をみれば、スマートフォン上での活動履歴を見ても良いのだと考えるかもしれない。そのようなケースに対応するため、免許証情報を表示した場合には画面をロックするという仕組みの実装も考えているのだとのこと。
また、重要な情報をスマートフォンに入れて運用することの問題もあるのかもしれない。そもそもは情報を管理しやすくして、より安全に持ち運べるようにしようというのが運輸省側の考えではある。しかしスマートフォンを盗まれれば、重大な個人情報が盗まれることに繋がるわけではある。
もちろんメリットもある。電子化しておくことにより、これまでのように免許証をなくしてしまうというようなことはなくなる。また免許証を探して部屋中をひっくり返したり、それでも見つからなくなってしまったりというようなこともなくなるだろう。
アイオワ州としても、従来のカード型免許証をなくしてしまう意図はないようだ。どちらを使うかを選べるし、また双方を使うという選択肢も用意するとのこと。
「モバイルデバイスはますます普及するようになってきていて、そうしたデバイスで行えることがどんどん広がっています。私たちとしても、そうした時代に対応したいと考えているわけです」とHenryは言っている。
ちなみに本件を最初に報じていたのはDes Moines Registerだった。
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(翻訳:Maeda, H)