アイビーリーグから州立大まで、全米で情報科学志望が急増中

長年に渡って、IT業界は米国のより多くの若者たちが情報科学に興味を持つようにと、説得に注力してきた。どうやら、その成果が見えてきたようだ。

情報科学の学科やプログラムに対する需要が全米の大学で増えていることが、先週行われたNCWIT summit for Women in ITで公表されたデータからわかった。発表したのはワシントン大学Ed Lazowska情報科学・工学部教授、およびスタンフォード大学のEric Roberts情報科学部教授の二人だ。

Lazowskaの教える大学では、情報科学専攻を希望する新入生の数が急増している ― Geekwireが発表した下のグラフがそれを示している。

情報科学科ブームが起きているのはワシントン大だけではない。伝統的理系中心地のMITやスタンフォードから、より文系・ビジネス寄りのハーバードまで、様々な大学において情報科学科志望者が明らかに増えている。

スタンフォード大、MIT、ペンシルベニア大、およびハーバード大の情報科学専攻者数

さて、「バブル」という言葉が投げかけられた時、多くのIT企業トップは、市場の動きは第一次ITブームで見られたような空騒ぎにはほど遠いと指摘した。しかし学界では、コーディングに対する熱望は最高潮に達し、情報科学科入学者数が1990年代終りの数字を上回る大学もいくつかあった。

しかし、LazowskaとRobertsによると、学界レベルで見た現在の状況は、第一次ドットコム狂乱とは違うものを感じるという。様々な理由により、最近の情報科学科学生の劇的増加は、長く続くものであり、2000年初期にように谷間に向かってはいない。

現在技術者不足が言われる求人市場にとって、これは良いニュースと言える、のだろうか? 実は落とし穴がある。LawowskaとRobertsによると、今日わが国の高等教育機関は、情報科学教育需要の急増を適切に扱う準備ができていない。現時点では、学びたい学生たち全員を教えるための教員が不足している。殆どの大学は、情報科学科の定員を制限するか、クラスを「巨大化」するかどちらかの方法で対処している。

贅沢な問題に聞こえるかもしれないが、問題であることには違いない。学界はこの情報科学ブームをどう扱うのだろうか。

LasowskaとRobertsによる講演の全スライドはここにある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook