アクティビストのヘッジファンドマネージャーであるダニエル・ローブ氏がインテル経営陣を酷評、新たなVCファンドを準備中

Daniel Loeb(ダニエル・ローブ)氏のアクティビストヘッジファンドであるThird Pointは、残り少ない2020年の日々に多忙だ。パンデミックで大荒れの年だったがリターンは大きく、Reutersによると2020年12月初めの時点で今年の増加率は最大で12.3%とされている。そして同社は明確に、テクノロジーセクターに今後ますます大きい成長ポテンシャルを見ている。

Asa Fitch(エイサ・フィッチ)氏の記事によると、The Wall Street Journalは、このヘッジファンドがIntel(インテル)の会長であるOmar Ishrak(オマー・イシュラック)氏に毒舌満載の株主書簡を送り(WSJ記事)、最近ライバルたちに大きく遅れを取っているこの米国のチップメーカーには経営陣の大規模な刷新が必要だと迫った。私がTechCrunchに2020年の半導体業界の総括記事(未訳記事)で書いたように、インテルにとって2021年は生きるか死ぬかの年であり、今やアクティビストからのプレッシャーもさらに強まり、同社に対する問題解決の要請もますます熾烈を極めている。

WSJによると、Third Pointは同社の株10億ドル(約1030億円)を買い上げた。ニュースの直後には、強まったプレッシャーで同社の前途が明るくなったという投資家たちの期待により、インテルの株価は5%跳ね上がった。

しかしながら、どうやら上場企業でなくても、資本政策表にアクティビストのヘッジファンドを載せられるようだ。

今朝のFinancial TimesでMiles Kruppa(マイルズ・クルッパ)氏が書いているが、このヘッジファンドは新しいベンチャーファンドを立ち上げるために最大3億ドル(約309億円)が欲しいらしい。調達の完了予定は2021年2月だ。同ヘッジファンドは過去にも、Third Point Ventures部門からさまざまな投資をしているが、アクティビストの大きな賭けとは違って、経済紙の大見出しになるような成果は得られなかった。

過去に同社のベンチャー投資は、テクノロジーとヘルスケアとフィンテックがターゲットだった。投資先は、CrunchbaseによるとSentinelOneとYellowbrick Dataだ。この新しいファンドが無事に資金調達を完了するとしても、投資のステージや対象分野が前と同じになるのか、そこがまだわからない。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:IntelThird Point Ventures

画像クレジット:Larry Busacca/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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