アジア全体で心のケアをより身近にしたい遠隔メンタルヘルスケアのIntellectが約2.4億円調達

シンガポールを拠点とし、アジアでのメンタルヘルスケアをより身近なものにしたいと考えているスタートアップ「Intellect(インテレクト)」は、プレシリーズAで220万ドル(約2億4000万円)の資金を調達したと発表した。Intellectは、8月末にデモデーを開催する予定のY Combinator(Yコンビネータ)の現在のバッチに参加している。

今回の資金調達は、再出資となるInsignia Venture Partnersがリードし、Y Combinator、XA Networkの他、Rainforest(レインフォレスト)の共同創業者であるJ.J.Chai(J・J・チャイ)氏、PreneeticsおよびCircleDNAの創業者であるDanny Yeung(ダニー・イェン)氏、Google(グーグル)のグローバルHRオペレーション担当ディレクターであるGilberto Gaeta(ジルベルト・ゲータ)氏などのエンジェル投資家が参加した。

これにより、Intellectの1年前の立ち上げからの資金調達額は、同じくInsigniaが主導した2020年12月に発表されたシードラウンドを含め、300万ドル(約3億3000万円)となった。

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Intellectは主に2つの製品スイートを提供している。認知行動療法(CBT)をベースにしたセルフガイドプログラムを提供するコンシューマー向けアプリと、オンラインのセラピープログラムや遠隔医療サービスを提供する雇用者向けのメンタルヘルス福利厚生ソリューションだ。現在、アプリのユーザー数は250万人を超え、同社はFoodPanda(フードパンダ)、Shopback(ショップバック)、Carousell(カルーセル)、Avery Dennison(エイブリィ・デニソン)、Schroders(シュローダー)、政府機関など、20社の企業顧客を抱えているという。

創業者兼CEOのTheodoric Chew(テオドリック・チュー)氏はTechCrunchに対し、Intellectの利用率は従来のEAP(従業員支援プログラム)ヘルプラインソリューションよりも高いと語った。同社のメンタルヘルスベネフィットソリューションは、従業員数5000人以上の企業に採用された後、平均して3カ月以内に約20%から45%のエンゲージメントが得られている。

アジアの多くの文化では、メンタルヘルスの問題に対する強い偏見がいまだに残っているが、新型コロナウイルスパンデミックの精神的な影響に人々が対処し続けていることから、この1年半で変化してきたとチュー氏はいう。「個人から企業、保険会社、政府まで、さまざまな人々や組織が、今日、個人や組織レベルでのメンタルヘルスケアを非常に迅速に優先しています」。

Intellectはゼロ知識暗号化によりユーザーのプライバシーを保護しており、同社や雇用主は、ユーザーの記録や、コーチやカウンセラーとのコミュニケーションにアクセスすることはできない。雇用主と共有されるインサイトはすべて集約および匿名化される。チュー氏によると、同社はISO、HIPAA、GDPRといった主要なデータプライバシー規制にも準拠しているという。

Intellectは現在、シンガポール国立大学、キングス・カレッジ・ロンドン、クイーンズランド大学、シンガポール総合病院などの機関と10件の共同研究を行っている。これまでの研究では、ユーザーの精神的な安定、ストレスレベル、不安感の改善が実証されているとのこと。

今回の調達で得られた資金は、より多くのアジア市場に進出するために使用される。Intellectは現在12カ国でサービスを提供し、11言語に対応している。

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画像クレジット:d3sign / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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