アスパラ収穫ロボは量産体制へ、開発元のinahoが資金調達

野菜収穫ロボットの開発を進めているスタートアップであるinahoは8月28日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、創発計画、ドフ、複数の個人投資家からの資金調達を発表した。調達額は非公開。

inahoは、2018年11月にTechCrunchが開催したTechCrunch Tokyo 2018のピッチコンテスト「スタートアップバトル」のファイナリストで、そのほかピッチコンテストでもさまざな賞を受賞した注目のスタートアップ。

今回の資金調達により同社は、野菜収穫ロボットの量産と対応作物の拡大、人員の拡充、他社提携を含めたマーケティング施策を進める。対応作物については、現在はアスパラガスのみだが、きゅうりやトマトへの対応目指す。

同社が開発したロボットは、画像認識と機械学習による解析でAIが対象作物の収穫時期を判断。同じ場所で栽培しても作物の生育には個体差が出る。特にアスパラガスの場合は1日で数cm伸びることもあり、収穫シーズンには毎日のように畑やビニールハウスに行って作業する必要がある。しかもアスパラガスは地中から生えてくるので、人の手で収穫するには中腰での作業が続くので重労働だ。

具体的には、ロボットが搭載するカメラが捉えたアスパラガスの画像をAIが解析し、栽培位置や高さ、奥行きを測定したあと、出荷基準を満たす個体だけを選別・収穫する仕組み。規格外品や病害などについては、画像を照合して判別し、異常がある場合は早期に刈り取ることも可能だ。収穫に使うアームは、細かな操作を得意とする医療系のロボットアームをベースに開発されている。

同社はロボットを農家に直接販売するのではなく、ロボットを中心としたサービス(RaaS、Robot as a Service)を展開。サービスを導入した農家には、順次最新のロボットが提供され、収穫量に応じてinahoにマージンを支払うというモデルのため、初期投資が不要なのが特徴。高齢化が進み長期の設備投資が難しい農家にも受け入れられそうだ。

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TechCrunch Japan

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