米国時間3月25日、クパチーノのApple[アップル)本社のスティーブ・ジョブズ・シアターで開催されたプレスイベントで、同社はストリーミングサービス「Apple TV+」をスタートさせることを明らかにした。
すでにAppleは多数のオリジナル番組を製作中だ。「相乗りカラオケ(Carpool Karaoke)」みたいなニッチな番組ばかりではないかという疑いも(おそらくは)一掃されるだろう。オリジナル作品ではスティーブン・スピルバーグが自身で手がけた「世にも不思議なアメージングストーリー」をリメイクするという。またアイザック・アシモフの傑作、「銀河帝国」を原作としたSFシリーズ、ジェニファー・アニストンとリーズ・ウィザースプーンが出演するテレビのモーニングショーの内幕ドラマまで豊富なジャンルが準備されている。
オリジナル番組の内容については1年前から情報が流れていた。そこで今日のイベントへの期待は、Appleがビデオストリーミングを始めるかどうかというより、いつ、どのようにしてユーザーがコンテンツにアクセスできるようになるのかが明かされることだった。それに料金プランも強い関心を集めていたが、そうした詳細が明かされるのはこの秋に持ち越された。
これまでも「AppleはiOS、tvOSのユーザーにはコンテンツを無料で提供するのではないか」と報じられていた。つまりオリジナル番組はAppleのハードウェアを売るためのある種のマーケティングツールの役割を果たすだろうという見方だ。
実際、AppleはApple TVアプリのリニューアルを発表した。リリースは5月でAppleのデバイスのユーザーなら無料だ。新しいApple TVチャンネルからはAppleだけでなく、HBO、Showtime、Starz、CBS All Accessなど他社のストリーミングサービスをサブスクリプションできる。
Appleがイベントに動員したプロデューサー、監督、俳優の顔ぶれは豪華だ。冒頭のプロモーション・ビデオにはスティーブン・スピルバーグ、J.J.エイブラムス、オクタビア・スペンサー、ロン・ハワード、M. ナイト・シャマラン、ソフィア・コッポラ、 デイミアン・チャゼル、そして前述のジェニファー・アニストンとリーズ・ウィザースプーンらが登場した。こうした映画人はもちろん全員がApple TV+で配信される作品に関わっている。
スピルバーグが登壇し、子供の頃にSF雑誌のAmazing Storiesの愛読者だったことを語った。スピルバーグは1980年代にNBSでこれをドラマ化し、「世にも不思議なアメージングストーリー」が製作されたのだという。
スピルバーグは「先見的でクリエーティブなAppleの人々のおかげで、私とアンブリン・エンタテインメントのチームは 生誕以来93年になるこの伝説的雑誌を復活させるチャンスを得た。新しいアメージングストーリーは世代を超えてすべての人々が楽しめるシリーズとなる」と述べた。
続いてモーニングショーの内幕ドラマに出演するアニストン、ウィザースプーン、スティーブ・カレルなど誰もが知るスターが登場した。ジェイソン・モモア、アルフレ・ウダードはSFシリーズ「See」について語り、オムニバスのシリーズ「Little America」のクメイル・ナンジアニは「移民を主人公にしたヒューマンストーリーにしたい」と抱負を述べた。そしてビッグバード(あの黄色いビッグバードだ!)はプログラミングをテーマにした番組をセサミワークショップがApple向けに製作していると発表した。「Little Voice」のJ.J.エイブラムスとサラ・バレリスも登場し、バレリスは番組のテーマソングを歌うなど華やかなプレスイベントとなった。
この後も随時アップデートの予定。
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