アップルが子ども向けポッドキャストのキュレーションでCommon Sense Mediaと提携

米国時間3月8日、Apple(アップル)は米国の子ども向けポッドキャストのキュレーションのためにCommon Sense Mediaと提携したことを発表した。家族で楽しむエンターテインメントとして、音声によるものがこのところ関心を集めているためであり、このような関心は、一部にはパンデミックと子どもたちの娯楽のためのスクリーンタイムを短くしたいという親たちの願望によって促されたのかもしれない。

AppleはApple.co/showsforkidsという新しいウェブサイトで、Common Sense Mediaと協力して、ポッドキャストをテーマ別、年齢別にグループ分けした。ローンチ時点でコレクションにはTinkercast、American Public Media、Gen-Z Media、Pinna、Tumble、Highlights、WNYC Studios、Rebel Girls、Nickelodeonといったクリエイターが参加している。

年齢別グループに加えて、一般的な家族向け番組を集めた「Common Sense Media Picks」、ステリアスな物語やアクション満載のドラマを中心の「One More!」、子供たち自身が選んだ番組を紹介する「Kids Know Best」、物語を中心としたショー「Story Time」という4つのテーマ別コレクションも用意されている。

画像クレジット:Apple Podcasts(スクリーンショット)

このサイトは毎月アップデートされて新番組や人気番組が入れ替わり、また、Women’s History MonthやBack to School(新学期)などのテーマの歴史や文化にちなんだ時事的なコレクションも紹介される。

番組の選択基準はCommon Sense Mediaがテレビ番組や映画、書籍、アプリ、ゲームなどにも適用している調査に基づいたものとなる。今回のローンチは、Appleが最近デビューした「Apple for Kids」に次ぐもので、Apple for Kidsは親がFamily Sharingオプションに従って家族のニーズに配慮し、デバイスを子ども向けにセッティングすることをサポートする。

子どもがApple製品を使う時間は長くても、子ども向けポッドキャストの市場はまだ小さい。Appleのポッドキャスト上位100の中に、子ども向けのものはない。しかし専門家によると、今後大人向けポッドキャストの成長にともなって子ども市場も成長する可能性があるという。また、最近のMorning Consultの報道によると、新型コロナウイルスのパンデミックで、家での子どもたちのエンターテインメントに親が気を遣うようになり、オーディオコンテンツへの新しい関心が高まっているという。

その例として、NPRの「Wow in the World」は、パンデミック前に比べてダウンロード数が94%増加した。またNPR’s 2020 Spoken Word Audio Reportによると、現在、米国の大人の15%が、子ども向けの音声コンテンツを聴いている。つまり、親が子どもと一緒にポッドキャストを聴いているのだ。また、子ども向けポッドキャストの普及に努める非営利団体Kids Listenの調査では、ポッドキャストを聴く子どもたちの89%が8歳以下だとMorning Consultは報じている

The Informationの2020年の報道では、Appleは2021年にSpotifyへ対抗するための新しい会員制ポッドキャストを検討しているという。この報道の数週間後にAppleはポッドキャストへの関心をさらに強めたようで、新たな連載編集記事Apple Podcasts Spotlightを立ち上げて興味深い番組制作者の紹介を開始した。

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このように子ども番組に力を入れることは、おそらくAppleの今後の野心を表している。なぜならポッドキャストを聴いている親の64%が、有料の子ども向けポッドキャストの会員になるというからだ。

新しいシリーズは、米国のApple Podcastsで配信されている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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