米国時間6月7日に行われたApple(アップル)のWWDCでのキーノートには膨大な数の発表があった。新しいmacOSもあればwatchOSのリフレッシュがあり、iOSのニューバージョン、プライバシー制御の改善、FaceTimeのアップデート、そしてiCloud+もある。これだけあれば誰もが、自分が欲しかった何かを見つけることができるだろう。
関連記事
・アップルがmacOS 12 Montereyを発表、PCとタブレットのギャップを埋める
・今秋リリースのアップルのwatchOS 8にマインドフルネスと呼吸追跡の機能
・アップルがiOS 15発表、「つながり続ける」「集中する」といった4つの柱を掲げFaceTime、通知などの新機能満載
・iOS 15ではさらにセキュリティとプライバシー保護機能が充実
・アップルがFaceTimeのアップデートを発表、Androidユーザーも利用可能に
・アップルがiCloudをアップデート、プライバシー機能を追加した「iCloud+」発表
今回のAppleのキーノートは、大きな企業が巨大な企業になったときのものだ。プロジェクトの数が多すぎて、いくつかを詳しく紹介するということができない。プラットフォームの全員を顔見世して、それぞれについて少しのニュースを口にするだけだった。
Appleがどちらかというとソフトウェア方面、特にサービス分野での力作を披露したことは誰の目にも明らかだが、それにもかかわらずウォール街は冷たく肩をすくめただけだ。
それは普通のことだが、いつも少々の混乱をともなう。
投資家は、少なくとも理論上は将来のキャッシュフローを気にする。そういう将来のキャッシュフローというものは、プロダクトのアップデートやサービス、ソフトウェア、そしてハードウェアの売上の強力な成長から生まれる。まさしくAppleはそれを、ハードウェア以外のところで詳しく披露した。
そして見よ、ウォール街は将来の収益予想の原動力となるものを一瞥し、「お笑い草だ、誰がそんなものを重視するか」と言ったのだ。
Appleの株価はほとんど終日小幅下げで、おそくなって上がったのは同社のニュースのためではなく、NASDAQには取引終了にかけて上がる癖があるからだ。
以下が、YChartsでのAppleのチャートだ。
そしてNASDAQはこちら。
こんなものは、ChartMasterの人でもなければ、無視するだろう。しかし心配無用。このチャートは全体として何も言っていないから、あなたは何も見落としてはいない。Appleがチョイ下げで、NASDAQがチョイ上げだ。その後NASDAQはさらに上がり、Appleの株も一般的に追随する。わかりやすく言えばそういうことだが、しかしどうでもいいことだ。
Appleのすべてのプラットフォームの健康と人気を判断できるはずの、Appleのビッグなイベントがまた1つ終わった。それらの健康と人気こそが、稼ぎ頭のハードウェアの売り上げも押し上げるはずだ。しかしマーケットは、Appleの真の正しい価値を見積もる。これまでのすべての予測が今でもどんぴしゃり正しいため、どのような上げの変化も下げの変化も必要ない、という判断に賭けているのだ。
つまり、Appleはとても大きいため、GDPと一緒に成長すると投資家は単純に賭けている。それは、相手をお笑いのようにディスっているのかもしれないが、いずれにしてもAppleの今日のイベントをまだよく知らなかった人には、これらの記事がおすすめだ。
関連記事:アップル2021年春の新製品イベントは投資家マインドに響かず、株価は微減
カテゴリー:その他
タグ:Apple、WWDC、WWDC2021、株価
[原文へ]
(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)