Apple(アップル)は11月11日、ARMベースの独自システムオンチップ(SoC)として、5nmプロセス採用の「Apple M1」を発表した。
Apple M1は、CPU、GPU、Neural Engine、入出力、セキュリティなど複数技術を統合することで、より優れたパフォーマンスと電力効率を実現。5nmプロセス製造により、Apple史上最も多い160億個のトランジスターを搭載。CPU性能は最大3.5倍、GPU性能は最大6倍、機械学習では最大15倍高速になったほか、バッテリー駆動時間は1世代前のMacよりも最大2倍長く持続するという。
2.6TFLOPS(テラフロップス)のスループット(演算性能)を持つとするApple M1は、4つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載。これら8コアすべてが連係することで高い性能を発揮でき、ワット当たりのCPU性能は世界最高としている。
4つの高性能コアは、省電力シリコンとしては世界最速のCPUコアとしており、ディベロッパーはこれまでよりも約3倍速くプロジェクトのビルドが行える。
また高効率コアは、従来の1/10の電力で高いパフォーマンスを実現。これら4コアだけで、現行世代のデュアルコアMacBook Airと同等のパフォーマンスを発揮できるが、作業に使う電力ははるかに低く抑えられる。
GPUについては、統合型グラフィックス機能として、2万5000近くのスレッドを同時に処理できる最大8つのコアを搭載。複数の4Kビデオのスムーズなストリーミング再生、複雑な3Dシーンのレンダリングなど、高いパフォーマンスを要求する作業を軽々とこなせるという。
CPUとGPUでメモリーを一部共有するユニファイドメモリアーキテクチャーを採用し、ひとつのパッケージとしてApple M1にメモリーをまとめている。これにより、CPU・GPUなどが複数のメモリープール間でコピーすることなく同じデータにアクセスできるようになり、パフォーマンスと効率が一段と向上した。
またApple M1は、毎秒11兆の演算処理が可能な16コア「Apple Neural Engine」を搭載。Apple M1のCPU、GPU、Neural Engineは、それぞれ異なるタイプの機械学習(ML)作業ができるよう設計されている上、MLパフォーマンスコントローラーがMLのタスクを適切な場所に配分するため、パフォーマンスを最大化できるという。
さらに、行列の掛け算を高速化するために作られたふたつの専用MLアクセラレーターが、1秒間に最大1兆回の演算処理を行う。Neural Engineほどの大きなパワーを必要としない、低レイテンシーのMLタスクを処理するのに最適としている。
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