Apple(アップル)はここ数年、製品に使われる部品を製造する際に、サードパーティに依存する必要のない世界を明らかに夢見てきた。ハードウェアメーカーの大手として、自社製チップを採用することで、すでにその方向に着実に歩み出していた。そして最近の雇用は、それをさらに推し進めることになった。
LinkedInのアカウントによると、半導体メーカーARM社での10年間におよぶ勤務を経て、同社の主席CPUアーキテクトだったMike Filippo氏は、先月Appleに入社した。この動きは、Appleのチップデザインの責任者だったGerard Williams III氏が、この3月に退社したことを受けてのものだと見られている。Filippo氏は、その役割に完全に適しているように見える。実質的に世界中どこでも使われているARMの設計に、重要な役割を果たしてきたからだ。彼は、数年間IntelやAMDでも働いた経験を持つ。
ARMは、ブルームバーグ誌に掲載された声明で、Filippo氏の退社を認めている。「Mikeは、長年に渡りARMコミュニティにとって重要なメンバーでした」と同社は述べている。「私たちは、彼のこれまでの努力のすべてに感謝し、今後の仕事がうまくいくことを願っています」。一方のAppleは、この動きをまだ正式には認めていない。
Appleは、できるだけ多くの部品を自社開発しようとしてきた。もうだいぶ前から、Macシリーズ用としてIntelプロセッサの使用を止めるのではないかと噂されてきた。これもまた長い間噂されているARヘッドセットの開発にも、自社製のチップで取り組んでいると言われている。
完全にゼロからの製品開発を社内で遂行することは、単に長年の願望というだけでなく、他社への依存を大きく減らすことにもつながる。しかしこのような展開は、5G iPhoneの発売に向けて、Qualcommとの関係を改善しようという最近の動きとは対照をなすものだ。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)