Apple(アップル)は、iOS 14で散々議論されているプライバシーポリシーの変更について、さらにいくつかの詳細を明らかにした。同社は2020年6月に行われたWWDCの発表で、複数のプロパティを横断する広告ターゲティングのためにIDFAを追跡し共有するためには、開発者はユーザーに許可を求めなければならない、としている。一方、2020年秋にiOS 14が登場した際、Appleは2021年まで追跡制限を延期し、開発者が必要な変更を加える時間を増やしたいと述べている。
そして、もう少し具体的なタイムラインが明かされた。計画では、これらの変更を今春の早い時期に公開し、機能を実装したバージョンは、次のiOS 14ベータリリースで公開する予定になっている。
Appleは新システムを次のように説明している。「ユーザーは『設定』でどのアプリが追跡許可をリクエストし、そのための変更をしたかを確認することができる。要求は今春の初めに幅広く展開され、今後のiOS 14とiPadOS 14とtvOS 14で実装される。この変更は、世界中のプライバシー擁護派からの支持を得ている」。
特に重要で基本的な要求をリストアップすると、次のようになる。
- App Tracking Transparency機能は、IDFAの共有をユーザーがそれぞれオプトアウトしなければ無効にならない従来の方法から、デフォルトで無効、有効にするためにはオプトインしなければならない方法に変更する。ネットワークやデータブローカーなどのサードパーティやユーザーのIDFAを共有したいアプリは、事前にその許可をユーザーに求めなければならない。
- この機能が最も目立つ証拠は、新しいアプリの起動時に通知があり、トラッカーが何に使われるのかを説明し、それにオプトインするように求めてくることだ。
- IDFA共有はいつでもアプリごとに切り替えることができるようになった(以前は単一の切り替えだった)。「アプリに追跡のリクエストを許す」を無効にすると、どのアプリからもトラッキングの使用を求められなくなる。
- Appleは、データ共有契約を含むすべてのサードパーティデータソースに対してこれを強制するが、プラットフォームはサードパーティデータを利用して広告を行うことができる。
- Appleは開発者が、アプリで使用するAPIやSDKがユーザーデータをブローカーやその他のネットワークに提供していることを理解し、もしそうであるならば通知を有効にすることを期待している。
- Appleは自社アプリに関しては規則を遵守し、もしそのアプリが追跡を行うのであればダイアログを表示して「アプリに追跡のリクエストを許す」の設定に従う。現時点では、多くのアプリが追跡を行っていない。
- ここで重要な注意点は、パーソナライズされた広告の切り替えは、具体的にはApple自身が広告を提供するために独自のファーストパーティのデータを使用することを許可するか、または許可しない別の設定であるということだ。つまりAppleのデータのみに影響するオプトアウトの追加レイヤーだ。
Appleはまた、Adtribution APIの機能を強化しており、より良いクリック計測、動画コンバージョンの計測、アプリからウェブへのコンバージョンの計測を可能にしている。
このニュースはData Privacy Dayに発表され、CEOのTim Cook(ティム・クック)氏が米国時間1月28日の朝、ベルギーのブリュッセルで開かれたComputers, Privacy and Data Protectionカンファレンスでこの問題について講演を行った。同社はまた、平均的なアプリには6つのサードパーティのトラッカーがあることを示す新しい報告も発表している。
今回の変更はプライバシーの観点からは歓迎すべきものだと思われるが、広告業界からは批判もある。たとえばFacebookは、小企業への影響を強調したPRキャンペーンを始め、またこの変更を2021年に直面する「広告への最も大きな逆風の1つ」と指摘している。Appleのスタンスは、広告主中心のアプローチであり、ユーザー中心のデータプライバシーのアプローチをするというものだ。
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タグ:Apple、個人情報、広告、Facebook
画像クレジット:Apple(スクリーンショット)
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(文:Anthony Ha、Matthew Panzarino、翻訳:Hiroshi Iwatani)