アップル参入が噂される中、追跡タグのTileがステッカー型デバイスを発表

Appleの追跡タグ(キーや財布などの失くしやすいものに付けて位置を把握するための小さなデバイス)はまだ正式公開を待っている状態だが、米国時間10月8日、この分野のパイオニアであるTileは、今までで最も邪魔にならない新型タグを発表した、それはステッカーだ。

Tileが本日発表したStickerは、防水型の追跡デバイスで、3Mと共同開発した粘着剤によって対象物に貼り付けると、Bluetoothを使って150フィート(45m)の範囲で追跡できる。そして、アプリ経由でTileのコミュニティーネットワークを利用すればさらに探索範囲を広げることができる。

同社はこの新製品だけでなく、既存の追跡デバイスの改訂も発表した。Slimは形も薄さもクレジットカードと同じになって財布やスーツケースの名札ケースなどに入れやすくなり、追跡範囲が200フィート(60m)バッテリー寿命が3年にそれぞれ伸びた。

そしてMate、およびTileの主要製品であるProタグも、範囲がそれぞれ200フィートと400フィートに伸びた。

4製品とも本日から発売される。Tile Stickerは2個パックが39.99ドル、4個パックが59.99ドル。Tile Slimは29.99ドル、Tile Mateは24.99ドル、Tile Proは34.99ドルとなっている。こうしたアップデートと新製品Stickerの発売によって、Tileは選択肢の幅を広げ、利用場面を増やしていることが伝わってくる。

こうした動きの中、Tileの競争は激化を続けている。これは同社が早くから取り組んできたビジネス分野に、今や多くの企業が注目していることを意味している。一方これは、すでに混み合っている分野に多くのライバルが参入しているという意味でもあり、すでに派手な失敗をしたところもある。

新規参入に関しては、Apple以外にもVerizon(TechCrunchの親会社でもある)も独自のIoTデバイスでこの分野に加わり、GoogleはHomeスピーカーやAndroidプラットフォームをモノ探しに利用するべくTileとの統合を進めている。Trackrは、昨年Aderoへとブランド変更したが、そのわずか数週間後に社員の半分近くを解雇した。それ以来下降が止まったという話を聞いていない。

Tileはと言えば、Comcastなどと興味深い戦略的バートナー契約を結んだあと、今年の夏に 4500万ドルの資金を調達した。ComcastはVerizon、Apple、Googleらと同じく、忘れ物探しをホームデバイスによる大きなネットワーク戦略の一部と捉えている。Tileは調達した資金を使って市場での位置を確立し、新旧のライバルたちの進出を食い止めようとしているのだろう。

実際、AmazonなどでBluetooth追跡ステッカーを探すと、Stickerがまったくの新しい製品ではなく、いくつもの類似製品が出ていることがわかる。それはこの市場が困難だが魅力的なものである大きな理由でもある。

Sticker(およびその他の接着型デバイス)の特長は、小さなポケットには収まらないが、置き忘れたり失くしたり盗まれたりしやすいものに貼り付けられることだ。Stickerの地味な色と形状は、付けていても目立たず、追跡したいモノの裏側に貼り付ければ特にそうだ。

FY20 Sticker Skateboard

Tileが類似製品と大きく差別化しているのが、同社の持つ広いネットワークだ。タグがBluetoothの範囲から外れた後も、アプリを通じてTileの広大なネットワークを使って追跡できる。もちろんそれは、十分多くのTileユーザーを集めて探し物ネットワークを作ることが前提であり、GoogleやComcastなどとの提携がTileの長期的成功にとって不可欠である理由はそこにある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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