新たに発表された医療保険申請データを直接患者に提供するためのデータモデルと実施要項案が実現すれば、誰もが使っているデバイスから必要な情報を入手できるようになる。 「CARIN Blue Button API」と呼ばれるこのデータモデルは、消費者団体、保険会社、デジタル医療アプリ開発者ら民間部門が協力して開発された。実施要項案は今年中に参加企業がテストを開始する予定で、複数の保険会社とワシントン州、さらにApple(アップル)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)の各社も参加する。
このニュースは本日(米国時間7/30)ワシントンDCで行われたホワイトハウスBlue Buttonデベロッパーカンファレンスで発表された。新しい標準は、昨年Centers for Medicare and Medicaid Servicesが、米国内の医療保険利用者が過去の申請情報をどんなアプリケーションからでもアクセスできるようにするために開発したBlue Button 2.0に基づいている。
テスト作業に参加する各団体は、多方面の専門家からなる作業グループが開発したCARINモデルの「現実世界におけるテスト」を実施し、2020年の大きな発表に備える。
数多くの医療サービス提供者とともにApple、Google、Microsoftの名前があるのは良い兆候だ。これは、医療情報をアクセスする際のデータポータビリティーが整備され、プラットフォームに依存しない利用が期待できることを意味している。
すでにAppleは、昨年2月からiOSで自社のHealthアプリに医療記録のセクションを設けている。ただし、一部の医療機関で採用されている標準に準拠してはいるものの、ユニバーサルで真に相互利用可能な医療履歴機能にはほど遠い。なおAppleは退役軍人省や保険会社大手のAetna(エトナ)などの機関や企業と提携を結んでユーザーへの医療データ提供を具体化しており、Microsoftは独自の医療記録提供方式としてHealthVaultを持っている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )