インスタント写真が嫌いな人は? 出ていってくれ。残った人たちは、驚くがいい。7年前に始まった Impossible Project、実際には、ポラロイドのインスタントフィルム製造プロセスをリバースエンジニアリングするという、この〈ほぼ〉インポシブルなプロジェクトが、ついに独自のポラロイド型カメラの製作に成功した。I-1 の写真は芯までアナログ ― 小さなサーマルプリンターは入っていない ― だが、デジタル時代に譲歩した部分もいくつかある。
旧来の量産型ポラロイドシステムと同じく、I-1 にはカメラ上で制御する手段が殆どない。あるのはシャッターボタン、露光補償用ダイヤル、および非常に大雑把な距離セレクターだけだ。構図は魅力的なほど古めかしい正方形のフレームに目を当てて決める。内蔵のリングフラッシュはアンビエントライトセンサーと撮影距離に応じて被写体を明るくする。
しかしながら、必然的に、そこにはアプリが介入せずにはいられない。設定の微調整を可能にし、離れた場所からシャッターを切り、多重露光撮影もできる。追加情報(スクリーンショットも)を要求しているので、返事があり次第続報する予定。
もう一点、モダニズムに譲歩したのは、カメラをUSB経由で充電できることだ。有難いことだが、もしフラッシュのためにネジを巻かなくてはならないなら、それもなかなかよかったと思う。
撮影にはImpossible Project type 600フィルムを使用する。様々なバリエーションがあり、いずれも高価である。しかし、フルサイズのポラロイド体験がしたくて、ビンテージカメラ店の冷蔵庫に入った古いフィルムパックを探し回りたくない人にとっては、悪くない選択肢だ。
5月10日に発売されるI-1の価格は300ドルで、高級なインスタントカメラと同じ価格帯だ。ただし、同程度の金額をフィルムに費す覚悟が必要だ。そう、アナログは生きていた、と言っただけで ― 安いとは言っていない。
オマケ:2009年にポラロイドフィルムの復活を祝って私が作ったフォトショップ作品。何のゲームかおわかりかな?
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)