アプリストアをもっと楽しい場所に…Mozillaの取り組みはAppleやGoogleも参考にすべきでは

アプリストアは破綻している。そこは、何千何万ものがらくたに占領され、良いアプリやおもしろいアプリを見つけることがほとんど不可能だ。各カテゴリのトップテン以外にも、良いアプリはあるはずなのに、それを簡単確実に見つける方法がない。Appleの”Genius”機能はすごくおバカだったのでiOS 7では下ろされ、さらにつまらない”Apps Near Me”機能に代わった。それは、あなたの周辺にいる人たちが今使っているアプリを、教えてくれる機能だ。Microsoftは、トップテンの愚かさに代わるものとして、Windows 8.1では人間が編集した情報を提供するようになったが、そこでもまだ、単純なランキングの支配力は強い。

Mozillaは、Firefox OSでごく最近モバイルゲームに参戦したばかりだが、過去数年間競合他社たちがやってきたことを、反面教師として(やってはいけないこととして)学ぶことができた。今現在のFirefox OS Marketplaceは、それほど革命的でもないが、Webアプリに力を入れる姿勢には新鮮さがある。そしてMozillaが先週発表したアプリストアプロトタイプの計画には、先行各社が参考にすべきものがあると思う。

Mozillaは次のように論ずる: “今のアプリストアでは、そこのメンテナーたちが任意に選んだものしか見ることができない。そこには、自分との個人的な関連性がない。新しいアプリを探したくても、どうやって探したらいいのか、分からない。せいぜい、友だちの言うことや、どこかの記事で読んだことを、参考にするぐらいだ”。

これらに対しFirefox OS Marketplaceのプロトタイプでは、個々のユーザに合わせたニューズフィードみたいな形で、アプリストア体験を個人化しようとする。それは、“フォロー”のような面倒な仕組みを実装しなくても、ユーザが関心のあるコンテンツを追っていける方法だ。プロトタイプでは、ユーザはハート型の小さなアイコンをクリックして自分の関心を指定する。すると、その関心分野の今後のアップデートや関連コンテンツを見られるようになる。

しかしMozillaが長期的に考えているのは、フィードそのものをユーザ自身が編集できる方式だ。その具体的なやり方は未定だが、今すでに一部のサードパーティのアプリストアがやってるような方式かもしれない。でもそれは、既存のメジャーなアプリストアがほとんどやらなかった試みであり、いわばアプリストアをソーシャル化するものだ。Androidのストアも、友だちがダウンロードしたアプリを教えてくれるが、その友だち自身が編集したリストが送られてくるわけではない。

Mozillaのチームは、このところユーザのアプリストアにおけるエンゲージメントが低下傾向だ、と言っている(ぼくも個人的にそのことを実感する)。つまり、今のアプリストアは、楽しいから訪れる、というものになっていない。Mozillaは、ちょっと風変わりなマイクロコピーやアニメーションでユーザを釣ろうとしているが、しかしいちばんかんじんなのは、ユーザがここでいろんなアプリやコレクションや記事やリビューやビデオ、などなどを発見できる、というコンセプトだ。Mozillaは、アプリストアを楽しく長居できる場所にしようと努力している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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