業界のビッグネームたちが大きなイベントを開催して、ハードウェアのシーズンに突入した。Amazon(アマゾン)はすでに多くの新しいFire TV(ファイアTV)を発表しており、1週間後には(おそらくEcho[エコー]に焦点を当てた)大きなイベントを計画している。そうした中でアマゾンは、新しいKindle Paperwhite(キンドル・ペーパーホワイト)の形で、私たちに大きな衝撃をもたらした。
私が「衝撃」だというのは、Kindleハードウェア部門全体が、ここしばらく静かだったからだ。私たちは、Paperwhiteが2018年に最後のメジャーアップグレードを行ったときに「The Voyage(ザ・ボイジャー)は終わったのかもしれないが、Kindleラインにはまだ生き残りがいる」と書いている。なぜなら、現実を直視するなら、専用電子書籍リーダー市場全体が必ずしも活気に満ちてはいないからだ。確かにKobo(コボ)はまだ息をしているが、最近のアマゾンはモノリスのごとく事実上この市場に1人で踏みとどまっている。
しかし、本日のニュースへとつながる、製品ラインのUIアップデートを含むいくつかの噂や、リーク情報があった。その結果、Kindleの中級機としては過去最大のアップデートとなる新型Paperwhiteが登場したのだ。
今回のアップデートの目玉は、待望されていた6インチから6.8インチへのディスプレイの大型化であり、330PPIの画素密度は維持されたままだ。これによって、7インチで300PPIのKindle Oasis(キンドル・オアシス)に近づいている。Oasisと同様に、ベゼルは本体と同じ高さに揃えられているが、フットプリントを維持するために、前世代からは12%削られて10.2mmになっている。
正直なところ、最もエキサイティングなのは、USB-Cによる充電だ。少しバカげているように聞こえるかもしれないが、KindleシリーズはmicroUSBの最後の生き残りであり、私がそのためのケーブルを持ち歩く数少ない理由の1つなのだ。私は、高額なOasisが新しい(というかより新しい)コネクタを採用する最初のデバイスになると思っていたが、そうするためには、アマゾンは新しいOasisをリリースしなければならなかっただろう。
充電はより速くなって、ゼロからフルになるまで2.5時間だ。また、バッテリー自体も改良され、1回の充電で従来の6週間から10週間もつようになった。4週間の違いは大きい。バッテリーに関するもう1つのサプライズは、ワイヤレス充電の登場だ。これは、新しいPaperwhiteシグニチャーエディションに搭載されており、このエディションではストレージも8GBから32GBにアップしている。また、アマゾンは別売り30ドル(日本のストアでは税込3480円)の充電ドックも発売するが、標準的なQiパッドも使えるはずだ。
ディスプレイの最大輝度は10%上昇し、周囲の明るさに応じて輝度を自動調整する機能も搭載した。Oasisと同様に、就寝時間に近づくと暖色系の光に調整され、目を保護する。プロセッサーは前世代から改良されており(現時点では詳細は不明)、ページめくりが20%速くなっているという。このデバイスは、消費者からリサイクルしたプラスチックを60%、再生マグネシウムを70%使用している。
新しいPaperwhiteの価格は、スタンダードが140ドル(日本では税込1万4980円)、シグニチャーエディションが190ドル(日本では税込1万9980円)だ。Kindle Unlimitedが4カ月間無料で利用でき、すでに事前予約可能となっている。また、本機では初となるキッズモデルも予約受付中だ。Kindle Paperwhiteキッズモデルは、子ども向けのカバー、1年間のAmazon Kids+(アマゾン・キッズプラス)がついて、保証は2年間だ。こちらの価格は160ドル(日本では税込1万6980円)だ。
関連記事:米アマゾンがAlexa搭載の初の自社ブランドテレビ2種発売へ
画像クレジット:Amazon
[原文へ]
(文:Brian Heater、翻訳:sako)