Amazon(アマゾン)のデバイスとサービス担当上級副社長であるDavid Limp(デビッド・リンプ)氏を米国時間12月16日のTC Sessions:Spaceに招いて、同社のブロードバンド衛星コンステレーションProject Kuiperについて、詳しい話を聞いた。リンプ氏は、Kuiperのチームがその革命的な顧客端末で解決した技術的設計のチャレンジを詳しく共有した。彼はまた、同社のコンステレーションの打ち上げ計画についても、情報を共有。FCCが認可した現在の計画では、それは3236基の衛星で構成されるという。
リンプ氏はまず「打ち上げは誰がやってもよい」という。「誰かロケットを持ってる人をご存知だったら、お電話をください。いまがコンステレーションに適したタイミングだと思う理由の1つは、打ち上げ産業に活気があるからです。毎日のように再利用のデモがあるし、画期的な新しいエンジンのデモがある。SpaceXのRaptorがあったかと思うと、次の日にはBlue OriginのBE-4という具合だ」。
アマゾンのコンステレーションに対するFCCの認可条件の1つが、それを構成する衛星の計画量の約半分を6年以内に打ち上げることだ。相当な数であるため、速いペースが必要となる。たとえばSpaceXのStarlinkは、衛星60基の打ち上げを16回行ったが、そのうちの14回は2020年内だ。これだけのペースを達成するためには、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が個人的に所有する打ち上げ企業Blue Originにも多少の打ち上げ能力はあるが、宇宙へ行くためのライドシェアをどこかで見つけないといけないとリンプ氏はいう。
「3200個以上の物を宇宙に運ぶためには、大量の打ち上げ能力が必要だ。希望としてはそれを1社でやるのではなく、複数の打ち上げ企業にお願いしたい」とリンプ氏。
Project Kuiperが求める衛星の仕様にもよるが、Astra、Relativity SpaceそしてVirgin Orbitなど、これは新興の小さな衛星打ち上げ企業にとって大きな活躍のチャンスだ。後者は先に、打ち上げ企業の進歩について語っている。またそれは、Rocket Labのような既存の企業にとっても棚ボタかもしれない。もしかして、SpaceXも打ち上げの助っ人になる可能性がある。
別の質問への回答でリンプ氏は、Project KuiperはSpaceXのStarlinkと直接には競合しない、と述べた。世界のインターネット未供用地域は、市場としても、あまりにも広いからだ。
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カテゴリー:宇宙
タグ:Amazon、Project Kuiper
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)