イベント会場や飲食店での“待ち時間”を減らすモバイルオーダーサービス「narabee」公開

BEENOSの連結子会社で新規事業の開発を手がけるBeeCruiseは11月6日、SaaS型のモバイルオーダー&ペイサービス「narabee」の提供をスタートした。

オンライン上で事前に商品を注文し、受け取り時間を設定した上で決済しておくことで、ライブ会場や飲食店などで長時間列に並ぶストレスから解消されるのが最大の特徴。近々ユーザー向けのスマホアプリ版もリリースする予定で、さらなる利便性の向上を目指していく。

店舗とユーザー双方に共通の「待ち時間」という課題があるだけでなく、直近は軽減税率の影響などもあってか国内でも飲食店のテイクアウトを中心に事前注文・決済の取り組みが加速している。

過去に何度か紹介しているShowcase Gigの「O:der」やDIRIGIOの「PICKS」といったスタートアップに加え、「LINEポケオ」などメガベンチャーもこの領域でプロダクトを展開中だ。

今回のnarabeeは飲食店に限らず、スポーツスタジアムやアミューズメント施設など行列が発生する幅広いシーンでの利用を予定してはいるものの、初期のユースケースとしてはアーティストやアイドルのライブ会場におけるイベントグッズ販売所での利用を見据えているそう。

そもそもBEENOSグループ自体がコマース領域の1事業として人気グループのイベント会場におけるグッズ販売や公式ECサイトの管理・運営を手がけていて、そこで感じた課題感などがnarabeeの構想にも繋がっているようだ。

BeeCruiseおよびBEENOSの代表取締役社長を務める直井聖太氏の話では、グッズ売り場には長蛇の列ができ、2〜4時間ほどの待ち時間が発生することも珍しくないとのこと。ここにモバイルオーダー&ペイの仕組みを取り入れることで待ち時間を減らすだけでなく、決済の手間や並んでいる最中にお目当のグッズが売り切れてしまうリスクなどをなくしていくことが狙いだ。

またグッズを販売する側の視点では待ち時間が発生することによる機会損失(並ぶのを諦めてしまう顧客の削減)の軽減や、イベント会場における大量の現金のやりとりの削減も見込めるという。

プロダクトの使い方自体はシンプルで、ユーザーはnarabee上で欲しい商品と当日の受け取り時間を設定し、決済をしておくだけ。イベント当日にSMSにて事前通知を受け取り、指定時間に会場の受取窓口でQRコードを提示すればOKだ。

企業向けのSaaSプロダクトとして提供する形になり、企業には売上管理や分析の機能を備えたシステムを提供する。

今後はユーザー向けにソーシャルログインの仕組みや後払い決済機能、事前注文した商品を当日ホテルなどに届けてくれるサービス(たとえばライブ中に使いたいタオルやペンライトなど)、多言語対応などを実装していく計画。企業向けにはPOSレジや在庫管理、ポイント機能なども提供していきたいという。

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TechCrunch Japan

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