ゲームアセット等のクラウドソーシングサービスを運営しているMUGENUPが1億3,000万円の資金調達を実施した。MUGENUPにとってシリーズBとなるこのラウンドにはIGPI(経営共創基盤)、SMBCベンチャーキャピタルの2社が参加した。
MUGENUPは主にゲーム内のキャラクターのイラストを取り扱っているサービスでゲーム制作会社とクリエイターを仲介する役割を担っている。現在このサービスに登録しているクリエイターは約1万人となっている。
MUGENUPが特徴的なのは発注者とクリエイターの間に入り、必ず仲介している点だ。クリエイターが自身のポートフォリオを提示するとMUGENUPがスキルのレベルをチェックし、彼らのスキルに応じてタグを登録しておく。そして、発注(コンペ)の際にイラストにも必要なスキルなどのタグが設定されており、クリエイターとイラストのタグをマッチングさせることで受注者を決定させているという。
また、クリエイターとMUGENUPの担当者がコミュニケーションを取るためのグループチャットも用意されており、このチャット上でイラストに赤入れできる機能などを備えている。このように2つシステム–クラウドソーシング、制作プラットフォーム(グループチャット)–を展開している。
だが、ここまでクラウドソーシングサービスを運営するスタートアップだとご紹介してきたが、MUGENUP代表取締役の一岡亮大氏は「クラウドソーシングの会社でも、イラスト制作の会社でもなく、デザインデータを効率よく大量に作ることをテーマにしている会社」だという。
このテーマの入り口の1つとしてクラウドソーシングサービスを提供してきたそうだ。現在MUGENUPでは2Dのイラストが主であるが、最近では3Dのデータも扱っておりグループチャット上で2Dと同様に3Dデータも確認、赤入れできるシステムの構築も完了したところだ。
すでにフィギュア作成も進んでいるようで、今後はこのような需要が増すと予想している。このような3Dデータも含めデザインデータを解析し、市場を効率化していくことが目標だと一岡氏は語る。
というのも、例えばフィギュアを3Dプリンタで出力する際に、キャラクターの羽と体の素材が違う場合などは収縮率も調整しなければならず、その微妙な調整は各社の職人だけが知っている状態であり、非常に効率が悪いそうだ。そのためMUGENUPでは、このようなデータを蓄積/分析し、共有することで効率化を図りたいという。
今後も現状のサービスはもちろん継続するが、今回調達した資金はこうしたデータ解析や3Dデータを扱えるクリエイター確保のためのマーケティングに投下していくとのこと。