インドは、再利用可能宇宙船市場に参入するための、小さな一歩を完了した。
月曜日(米国時間5月23日)、Indian Space Research Organization(インド版NASA)は、22フィート(6.6 m)の有翼宇宙船を高度65 kmまで打ち上げ、インド東部のベンガル湾に帰還させた。
ミッション全体は13分以内で終わり、宇宙に届く高さには達しなかったが、インド宇宙局にとって、手頃な費用による打ち上げ実施に向けた重要な一歩だった。
Reusable Launch Vehicle-Technology Demonstator(RLV-TD)と呼ばれる実験船は、速度マッハ5に達し、大気圏再突入の高温を生き延び、無人による運転、誘導、制御や、再利用可能な耐熱保護システム等、最重要技術のテストに用いられた
2012年に開発を認可されたISROは、1400万ドル相当の資金をRLV-TDに投資したとBBCは伝えている。RLV-TDは4回の試験飛行を行う予定で、その第一回が月曜日に完了した。超音速飛行実験(HEX)およびそれに続く着陸実験(LEX)、復路飛行体験(REX)、およびスクラムジェット推進実験(SPEX)等を実施する。
ISROにとって、商用版RLV-TDへの道はまだ遠いが、彼らがBlue Origin、SpaceX、Virgin Galactic、あるいはXCORと並んで、再利用可能船の開発に取り組んでいるという事実は、この業界全体が従来の使い捨て設計から転換しようとしていることを示している。
RLV-TDは、その翼のある機体からミニスペースシャトルのように見えるかもしれないが、大きさだけを見ても、RLV-TDプログラムが前途遼遠であることの証だ。長さわずか6.6 mのRLV-TDは、低地球軌道に30年以上宇宙飛行士送り続けた、NASAの巨大な122フィート(36.6 m)有人スペースシャトル軌道船と比べると影が薄い。
それでも、今週のミッション成功は、宇宙探査活動に多大な資源を投入する数少ない国の一つであるインドにとって、記念すべきマイルストーンである。
他の先端宇宙開発国の年間予算(NASAの185億ドル、ヨーロッパの60億ドル、ロシアの50億ドル)と比べると、インドの年間予算 12億ドルは、大した額ではないように思えるかもしれないが、ISROは業界で長年重要な立場を取り続けている。
インドの働き者の打ち上げロケット、Polar Satellite Launch Vehicle(PSLV)は、20年以上にわたり、小型衛星を軌道に送り込んでいる。実際、1994に初の打ち上げに成功して以来、PSLVはアメリカを含む20ヵ国の人工衛星を打ち上げてきた。
インドが商用の再利用可能船を作るまでには、まだ時間がかかるかもしれないが、TLV-TDプログラムへの取り組みは、この国が打ち上げ費用のコストダウンと、小型衛星打ち上げ業界での優位性確保に力を入れている兆候だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)