何十年にも渡り三輪タクシーはインドの生活に欠かせないものとして確立してきた。Jugnooという企業は、スマートフォンで簡単に三輪タクシーを呼び止めるようにする。チャンディーガルを拠点とするこのスタートアップはSnow Leopardを筆頭にモバイルコマースの会社Paytmやエンジェルラウンドにも参加した複数の投資家から、シリーズAのラウンドで500万ドルを調達した。
Jugnooのビジネスモデルの特徴は、移動手段とオンデマンド配達サービスを同時に行っていることだ。ファウンダーのSamar Singlaはこの二本柱でのアプローチで、mGaadiやPoochOといった三輪タクシーの配車アプリ、更には最近三輪タクシーもサービスの一環に加えたUberやOlaとも差別化を図れると踏んでいる。
このアプリは現在4都市(チャンディーガル、ルディヤーナー、アムリトサル、ジャイプール)で提供していて、次にグルガオンでもサービスを開始する予定だ。Jugnooは、15万人のユーザーを抱え、毎日およそ3000の注文を満たし、日々4000ドルの収益が得られているという。
Jugnooは11月にローンチした直後、多くの人が三輪タクシーを移動手段として呼んでいるのではなく、商品の配送か受け取りのために利用していることに気がついた。
これに対応するため、彼らは新たに2つのサービスの提供を開始した。Jugnoo MealsとJugnoo Fatafatだ。前者はレストランの注文に特化し、後者は地元の商店からのオンデマンド配達を行っている。
この2つのサービスはJugnooにとって重要な収入源だ。価格に敏感なユーザー層に対して運賃を抑え、サージプライシングを避けたいと考えている。同社の取引の30%を物流サービスが占めているが、彼らの目標はその数値を50%まで引き上げることだ。
三輪タクシーがインドで普及しているのは、低価格で利用でき、混雑する道でも移動に小回りが利くのと同時に自転車やスクーターより多くの荷物を運ぶことができるからだ。SinglaによるとJugnooやこの手のアプリが登場する前まで、多くの人は道端や停留所で三輪タクシーを呼び止めていたが、場所や交通状況によっては、三輪タクシーを見つけるのに1、2キロも歩かなければならない場合もあったそうだ。
物理学者でもあったSinglaは、前職はオンデマンドサービスのアプリを提供するJuggernautというスタートアップで働いていた。そこで三輪タクシーをいつでも呼び出すことへの需要があることに気がついたという。
他の配車アプリや地元に密着した配達サービスのように、Jugnooもヒートマップを利用して需要と供給の管理を行っている。UberやOlaもインド市場での急成長を狙っているが、Jugnooはドライバーやリピート顧客に対し、より魅力的な価値を提供することで差別化することができるとSinglaは説明する。
「ドライバーに対しては、バックアップとしてではなく、三輪タクシーの配車に特化した企業と働くことの利点を訴求できます」とSinglaは言う。「インドには10倍多く三輪タクシーが走っていて、私たちは需要と供給のバランスを上手く管理することができます。ユーザーがA地点からB地点まで行く一番安くて早い方法を探している場合は、私たちが選ばれるでしょう。空調の効いた車で送迎されたい場合はUberを選ぶと思います」。
Singlaは物流サービスに関し、地元の食料品店の配達サービスを提供するGrofersとPeppertapが主な競合企業であると考えているが、Jugnooの三輪タクシーのネットワークの方が、素早く配達の依頼に応えることができると言う。配達の多くは40分以内に完了しているそうだ。
会社の拡大については、Jugnoo Fatafatにユーザー、商店とカスタマーサポートの三者間チャットの導入とモバイルでのPOSシステムを構築する計画であると話した。Singlaは、Jugnooの目標は商店にJugnooが開発を計画しているコミュニケーションツール、スムーズな決済手段と商品配達のロジスティクスを提供することであると話した。
[原文へ]