このほど152億ドル(約1兆6300億円)の資金調達を行ったインドのReliance Jio Platforms(リライアンス・ジオ・プラットフォームズ)は新たな分野に参入する。ビデオ会議だ。
インド時間7月2日夜、インドで最も裕福なMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が所有する同社は正式にJioMeetを立ち上げた。気味が悪いほどZoomにそっくりのビデオ会議サービスだ。
ZoomやGoogle Meetのように、JioMeetは最大100人が参加できる高解像度(720p)での無料ビデオ通話をユーザーやサポーターに回数制限なしで提供する。しかし興味深いことに、通話を短いものにするような制限は設けないようだ。Jio Platformsは、無料通話は最大24時間続けることができるとしている。このサービスには現在有料プランはなく、数年間は無料でサービスを提供するとしている。Jio Platformsが後に有料化するのかは不明だ。
2020年5月にJioMeetのベータテストを開始したJio Platformsは、ビデオ会議サービスは「企業グレード」のホストコントロールを提供すると話した。ここには各会議のパスワード保護、マルチデバイスからのログインサポート(最大デバイス5つ)、スクリーンやコラボ作業のシェア機能が含まれる。
他の機能としては「スムーズな」デバイスからデバイスへの変更、参加者が通勤しているときの「安全運転モード」などがある。ホストはまた、参加者がコールに入るための許可を待つ「待合室」も案内できる。
このサービスをインド国外の人も利用できるかどうかなど、Jio Platformsはこれ以上の詳細は明らかにしなかった。ウェブサイトでJioMeetは、すべてのミーティングは「暗号化」されるとしているが、エンドツーエンドの暗号化かどうかはわからない。
インドの数千万の人が家から働き、仕事や友達とつながるのにビデオ会議サービスを使っている状況下でJioMeetはローンチされた。
モバイル調査会社App AnnieがTechCrunchに共有したデータによると、現在インドで最もポピュラーなビデオ会議サービスであるZoomは2020年6月第3週にAndroidで3500万人の月間アクティブユーザーがいた。3月第3週の月間アクティブユーザー400万人から増加している(インドのスマートフォンの99%がAndroidで駆動している)。
2020年初めのアナリストとの電話会見で、Jioの幹部はJioMeetについて、いつか医師が患者を診たり、薬を処方したりできるようにする機能を持たせて患者がオンラインで薬を購入したり、検査結果をデジタルで受け取ったりするシステムを有するようにしたいと説明した。同様に、JioMeetでは教師が生徒のためにバーチャルクラスルームをホストし、セッションの録画や、宿題を出したり提出してもらったり、あるいはテストをデジタルで実施したりできるようになると話した。
顧客4億人を抱えるインド最大の通信オペレーターであるJio Platformsは音楽ストリーミングサービスのJioMusic、何千ものテレビ番組や映画を提供しているJioCinema、500超のテレビチャンネルが視聴できるJioTVなど数多くのデジタルサービスを提供している。Jio Platforms購読者は追加料金なしでこれらのサービス全てを利用できる。Jio Platformsの利用料は月2ドル(約215円)もかからない。
JioMeetはデスクトップ版のブラウザであるChromeやFirefox、そしてmacOS、Windows、iOS、Androidそれぞれのアプリ、Outlookプラグインで利用できる。JioMeetの立ち上げはインドがTikTokやShareIt、Alibaba GroupのUC Browser、TencentのWeChatを含む中国企業の59のアプリを禁止したのと時期を同じくするものだ。インド政府はセキュリティ上の懸念があるとして、これらのサービスを6月29日夜に禁止した。
画像クレジット:Anshuman Poyrekar / Hindustan Times / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)