インドのモバイル決済企業Paytmが米国時間3月9日に発表したところによると、同社は多くの商業者を顧客として獲得する努力の過程で、NFCを搭載したAndroidスマートフォンをPOS端末にするという。モバイル決済に関しては、インドは世界最大の市場の1つだ。
Paytmと提携する事業者は今後、Paytm Businessアプリでカード受け入れ機能を有効にできる。有効にすることで、スマートフォンにプラスチックのカードでタップするだけで決済処理できる。
同社によると、Paytm Smart POSアプリはVisaとMastercardとRupeekをサポートしている。1一回の利用限度額は5000インドルピー(約7470円)だ。ただしインドでは利用の90%以上が69ドル(約7490円)に満たない額だと推計されている。
現在、市場にある決済デバイスは中小の店舗があまり利用されておらずその多くがオフラインだ、とPaytmの創業者でCEOのVijay Shekhar Sharma(ヴィジャイ・シェカール・シャルマ)氏は、バーチャルで行われた記者会見で述べている。
そんな事業者をユーザーにしたいPaytmは近年、複数の決済ネットワークで使えるQRコードを展開し、ジュークボックスのような装置で商業者がデジタルの決済に慣れるように努めている。
シャルマ氏によると、スマートフォンがPOS端末になれば「もうPOS端末を買わなくてもよい」。しかも最近のAndroidスマートフォンは、ほどんどのモデルにNFCが搭載されている。
Paytmが披露した新世代のジュークボックスPOSは、QRプラカードに似ている。「今あるPOS端末を積極的に採用しない事業者が多いのは、使っていて快適でないからだ」と決済機関NPCIのトップであるDilip Asbe(ディリップ・アスベ)氏はバーチャル記者会見で語った。
インドのスタートアップであるPaytmは2021年2月に、12億回超の決済を処理し、インドのモバイル決済でトップだと主張している。サービスを利用する商業者は、小額の会費をPaytmに払う。
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これによりPaytmは、Sequoia Capitalが投資しているPOSのマーケットリーダーであるPine Labsとまともに競合することになるが、相手はかなり小さなスタートアップであり、むしろ、Paytmなどの大手の決済企業が商業者の獲得に積極的であることを示す好例ともいえる。
以下は、最近Bank of Americaのアナリストがクライアントに送ったメモの一部だ。「携帯電話がフィーチャーフォンからスマートフォンへ進化したように、インドのマーチャントPOSの市場は従来のダムPOSからスマートPOSに進化するポイントにきている。従来のPOSはデビットカードやクレジットカードを使えるだけだったが、スマートPOSには、消費税対応の請求書、スキャナーやプリンター、UPIを含むすべての決済の処理、Bluetooth、商業者各自によるカスタマイズなど、多様な機能がある。現在はフィンテックの企業がそうしたデバイスを提供しているが、いずれ銀行も追いつくだろう」。
カテゴリー:フィンテック
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画像クレジット:Anindito Mukherjee/Bloomberg/Getty Images
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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)