インドのEdTech「Unacademy」が新たに資金調達、企業価値2090億円に

インドのオンライン学習プラットフォームUnacademy(アンアカデミー)は資本政策表に新たな大手投資家2社を加えた。K-12オンライン教育を専門とするバンガロール拠点のUnacademyは米国時間11月25日、Tiger Global ManagementとDragoneer Investment Groupから資金を調達したと発表した。

7500万ドル〜1億ドル規模(78億〜104億円、Unacademyは額を明らかにしておらず、この数字はこの件に詳しい人物が提供したもの)の投資ラウンドにより、創業4年半のUnacademyのバリュエーションは20億ドル(約2090億円)になった。Facebook(フェイスブック)が投資家に加わった2020年2月時の5億ドル(約520億円)、SoftBank(ソフトバンク)がラウンドをリードした9月の14億5000万ドル(約1510億円)から増えている。

「創業時からの当社のミッションは、教育を多くの人に届け、よりリーズナブル価格でアクセスしやすいものにすることでした。当社は、あらゆる人に高品質の教育を届けるアイコン的存在のプロダクトを絶えず開発してきました。本日、Tiger GlobalとDragoneerをパートナーとして迎えることをうれしく思います。両社とも大手グローバル投資家で、人々の暮らしに影響を与えるイノベーティブな企業と提携してきた実績があります」とUnacademyの共同創業者でCEOのGaurav Munjal(ガウラフ・ムンヤル)氏は声明文で述べた。

Unacademyは、競争の激しい大学入学試験に備える学生や、修士レベルのコースを追求している人をサポートしている。Unacademyのアプリでは学生は講師のライブ授業を視聴し、その後にテーマについてより詳細にレビューするセッションに参加する。ここ数カ月で、同社はインドの政治家Shashi Tharoor(シャシ・タルール)氏など著名な人とさまざまなテーマでのオンラインインタビューをいくつか持った。これにより、学生以外にもアピールすることになった。

Unacademyのプラットフォームは4万7000人超の講師を抱え、14以上の言語でインド国内5000市町村の学生に教えている。毎月15万以上のライブ授業がプラットフォーム上で行われ、毎月のトータル視聴時間は20億分だと同社は述べた。

「完全なるアクセシビリティを備え、オンライン教育を通じて暮らしを改善するチャンスは莫大なものです。Unacademyのチームは教育をインドの隅々にまで届けるリーダー的プラットフォームを構築するために迅速にイノベーションに取り組んできました。Unacademyと提携することに非常に興奮していて、提携をさらに深めることを楽しみにしています」とTiger Globalのパートナー、Scott Shleifer(スコット・シュレイファー)氏は声明文で述べている。

インドの学習にかける時間は世界でも長い(ゴールドマン・サックスが今年初めにクライアントに提供した分析レポートより)

全国の学校が新型コロナウイルスパンデミックで閉鎖される中、インドの多くの教育スタートアップはここ数カ月でかなりの成長をみせている。ほとんどのインド人がオンラインサービスにはお金を出さない傾向にあるが(GoogleやFacebookに聞くといい。両社ともインドをユーザー数では最大のマーケットとしてとらえているが、さほど利益は出していない)、教育に関しては例外だ。インド人の家庭は、より良い未来へと道を切り開くために引き続き子供の教育にかなりの金を注ぎ込む。

カテゴリー:EdTech
タグ:Unacademy資金調達インド

画像クレジット:Unacademy

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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