インドのOlaが2月10日にロンドンで配車サービスを開始

インドの配車サービスOlaは、2019年ロンドンにオフィスを開設していたが、2月10日にそのロンドンでサービスを開始すると正式に発表した。同都市は世界最大の配車サービスマーケットの1つだ。Uberやソフトバンクが出資するその他の企業との競争が激しくなる中で、マーケット拡大はOlaの国際戦略において発展の鍵を握っている。

2019年11月以降、ドライバー2万人超がすでに登録しており、Olaは「サービス開始初日から本格稼働する」と話した。

これまでに35億ドル(約3790億円)もの資金を調達しているOlaは、年中無休のヘルプラインやアプリ内緊急SOSボタンといったあらゆるセキュリティ機能がそのプラットフォームに搭載されている、と強調した。

安全性は全世界で懸案のテーマとなっている。特に英国の首都ロンドンにおいてはその傾向が強く、Olaが2018年に英国マーケットに参入し、2019年7月にタクシー事業免許を取得したのち、ロンドンでのサービス開始にさらに数カ月要したのはそのせいかもしれない。

2019年11月、TechCrunchは政府ロビー活動を専門とするPR会社からOlaに宛てられた提案文を入手した。そこには、配車サービス企業が物事を首尾よく進めるために注意すべきことが書かれていた。OlaはPR会社の利用を否定した。

明らかにUberは積極的に拡大路線を追求するあまり安全ガイドラインの順守に失敗し、その結果、ロンドンでの事業免許を失った。地元当局のTfL(ロンドン交通局)がUberの事業免許を取り上げた。Uberの免許停止は2回目で、当局は2019年末にUberがプライベートハイヤー事業者の基準に達していないと裁定した。

裁定の中でTfLは、偽IDを使ったドライバーによるサービスが1万4000回以上も提供されていたことが明らかになった、と指摘した。UberのCEO、Dara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はTfLの決定に不満を示した。その際、彼は「このTfLの決定は間違っている。過去2年にわたって我々はロンドンにおける事業形態を根本的に変えた」と語った。

同社は不服を申し立てており、Uberのタクシーはロンドンで今も営業している。Olaは「業界を引っ張るような、そして世界的にも最善の事例となるよう安全性に明確に照準を当てると同時に、地元当局と協同的なアプローチを続ける」と話す。

加えて、Olaは6週間コミッション(手数料)を課金しないことでドライバーに動機付けを与えている。Uber同様、Olaは乗客が最終的に払う金額のおおよそ20〜25%というコミッションを課している。同社はまたサービス開始から1週間の間にサインアップした顧客に25ポンド(約3600円)分のクレジットを提供する。

Olaインターナショナルのトップ、Simon Smith(サイモン・スミス)氏は、2018年の英国におけるサービス開始以来、Olaは「かなりポジティブ」な反応を得てきた、と話した。同社はバーミンガムやコベントリー、ワーウィックなどを含む英国の28自治区でサービスを展開している。前述の自治体では直近の四半期中の乗車が2桁成長したとのことだ。Olaはこれまでに、ドライバー1万1000人超による300万回あまりの乗車サービスを英国で提供した。

「ロンドンの人々に高品質で確かなサービスを提供しようと、我々はドライバーと緊密に連携をとっている。ロンドンでのサービス開始は我々にとって大きなマイルストーンであり、すべての顧客にファーストクラスの体験を提供したい」とスミス氏は声明文で述べた。

世界で最ももうかるマーケットの1つであるロンドンへの進出はOlaにとって大きなステップとなる。同社はオーストラリアとニュージーランドにも進出していて、250以上の都市でサービスを提供している。

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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