インド最大の通信事業者であるReliance(リライアンス)のJio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)は、2021年後半にインドで5Gネットワークを展開する計画だ。最高経営責任者のMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が米国時間12月8日に発表した。
「インドは今日、世界で最もデジタル面で接続の良い国の1つです。このリードを維持するには、5Gの早期展開を加速し、手頃な価格でどこでも利用可能にするための政策が順次必要となります。Jioが2021年後半にインドで5G革命を進めると約束します」と、Jio Platformsの親会社であるReliance Industries(リアイアンスインダストリーズ)を経営するアンバニ氏が貿易会議で述べた。
インドでは国内の通信ネットワークに5Gネットワーク向けの周波数がまだ認可されていないため、この発表は驚きだ。現時点では、インドがいつ5Gの周波数のオークションを開始するかも不明だ。
インドで最も裕福なアンバニ氏は、5Gネットワークの展開により、世界で2番目に大きなインターネット市場であるインドが、同氏が第4次産業革命と呼ぶ動きをリードすることを期待していると述べた。「Jio Platformsは、20を超えるスタートアップパートナーのファミリーとともに人工知能、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、機械学習、モノのインターネット、ブロックチェーンなどでワールドクラスの能力を構築してきました」と同氏は説明した。
Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)などの複数の著名な投資家から2020年に200億ドル(約2兆1000億円)以上を調達した同社は、教育、ヘルスケア、金融サービス、新しいコマースカテゴリーでの一連のサービスが「まずインドで証明され、次にグローバルな課題に対処するために世界中に提供される」ことを期待していると述べた。
インドで2番目に大きい通信事業者であるAirtel(エアテル)の最高経営責任者であるGopal Vittal(ゴパル・ビタル)氏は、インドが2〜3年で全国的な5Gネットワークを確立することを期待していると語った。だが、同氏は自社のネットワークで5Gの展開がいつ始まるかについてのタイムラインを明かさなかった。ビタル氏は最近の決算発表で、5Gの周波数の提案価格が「非常に、非常に高価」で、いかなる種類のビジネスモデルでもやっていけないと警告していた。
アンバニ氏はスピーチの中で、インドで製造されたハードウェアやコンポーネントを使うよう業界のプレーヤーらに促した。「インド経済とインド社会のデジタル化が加速するにつれ、デジタルハードウェアの需要は非常に大きくなります。国として重要なニーズのあるこの分野で大規模な輸入に頼ることはできません」。
Airtelは以前、コンポーネントについてグローバル企業と協力するというアイデアを受け入れると述べた。「Huawei(ファーウェイ)は過去10年か12年で非常に優れた製品になり、今日、少なくとも3G、4Gでの製品は間違いなくEricsson(エリクソン)やNokia(ノキア)よりもはるかに優れているといえます。私はそれら3つをすべて使用します」とAirtelの創業者であるSunil Mittal(スニル・ミタル)氏は2020年初めの会議で述べた。同じパネルで、米国の商務長官だったWilbur Ross(ウィルバー・ロス)氏は、インドや米国の他の同盟国にファーウェイを使わないよう促した。
ビタル氏は12月8日、インドが世界的な5G標準を採用すべきだと主張した。「インドには独自の5G規格が必要だという話を時々聞きます。これは、インドをグローバルエコシステムから締め出し、イノベーションのペースを遅らせる可能性がある実存的脅威です。それを許せば国民は失望してしまいます」
ミタル氏とインドのNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相が出席した12月8日のパネルディスカッションでアンバニ氏は、関係者はインドで2Gネットワークを利用している約3億人にサービスを提供する方法についても考える必要があると述べた。「恵まれない人々が手頃な価格のスマートフォンを確実に持てるよう緊急の政策措置が必要です。そうすれば、彼らも銀行口座への直接便益移転(政府から個人への資金の流れをデジタル化すること)からの恩恵を受けられ、デジタル経済に積極的に参加できます」と同氏は付け加えた。
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(翻訳:Mizoguchi)