Toucan(トウキャン)は、新しい言語を学びたいがモチベーションや時間が見つけられないという人のための Chrome(クローム)ブラウザエクステンションを開発した。
インストールすると、エクステンションはユーザーが閲覧している英語のウェブサイトの文字をスキャンし、自動的にユーザーが学ぼうとしている言語に翻訳する。そして言葉の上にマウスをもってくると、オリジナルの英語の単語が表示される。言語フラッシュカードのブラウザベース版と思ってもらうといい。
ToucanはCEOのTaylor Nieman(タイラー・ニーマン)氏とCTOのShaun Merritt(シャウン・メリット)氏、CPOのBrandon Dietz(ブランドン・ディエズ)氏によって設立された。そして9月11日、同社はGSV Venturesがリードするシードラウンドで300万ドル(約3億円)を調達したと発表した。本ラウンドにはAmplifyher Ventures、Wonder Ventures、Golden Ventures、Halogen Ventures、Vitalize Ventures、そして戦略的エンジェル投資家が参加した。
ニーマン氏はこれまで、Headspace(ヘッドスペース)、スタートアップスチュディオScience(サイエンス)、そして車リースのスタートアップFair.com(フェア・ドット・コム)で事業開発に携わってきた。同氏はそうした経験から学んだことの1つが「実際に人々の時間を取り込む習慣の形成はかなり難しい、ということだった」と話した。
ディエズ氏は、Rosetta Stone(ロゼッタストーン)やDuolingo(デュオリンゴ) のような語学学習ソフトウェアが成功している一方で、「人々に行動を変え、ウェブサイトにいくよう促すのはかなりの要求で、特に毎日行うよう求めるのはそうだ」と同様の点を指摘した。
なのでToucanは現在スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ポルトガル語をサポートしており、ユーザーが新たな言語を学習するのをサポートするようにデザインされている一方で、学習する間にユーザーがいつもしているようにウェブサイトをブラウズできるようになっている。
ニーマン氏は、デジタルクラスや対面式の授業を受けるように、エクステンションはボキャブラリーを強固に、そして広げるのに使うことができると話す。授業を受けていなくても、ユーザーは自分でToucanを使うことができる。そして「外国語のいくつかの言語を知っていると実感する魔法のような瞬間」を経験できるようサポートする。
厳密に言うと、同社は大学の教授や学生を含む翻訳者のチームと協業する一方で、言葉が表示される文脈を理解するために自然言語処理も活用している。誤って訳された言葉があればユーザーはレポートすることができる。
Toucanは、内容を充実させる面白い方法を実験している。たとえば、ユーザーの名前が1週間Toucanが翻訳した言葉でいつでも表示されるという言葉「所有」の機能だ。実際、Toucanのチームは筆者に「writer」(ライター)という言葉を贈ってくれた。言葉の所有は現在無料のため、これは賄賂ではないはず?
ゆくゆくは同社は特定の言葉を所有するために、つまりスポンサーとなるためにユーザーに課金するかもしれない。加えて、ユーザーは追加のボキャブラリーにアクセスできるプレミアムサブスクも利用できる。Toucanは引き続きさまざまなビジネスモデルを模索するが、チームは「アクセスしやすい」教育に注力し、「かなりの」サービスを無料で提供する、とディエズ氏は話した。
今後、Toucanは新たな言語を加え、Firefox(ファイヤフォックス)とSafari(サファリ)向けのブラウザエクステンションを立ち上げる計画だ。最終的には同様のアプローチを「歴史や科学、数学、一般常識」などの科目にも適用したい、とニーマン氏は述べた。
画像クレジット:Toucan
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(翻訳:Mizoguchi)