CommandBarを創業したJames Evans(ジェームズ・エヴァンス)氏とRichard Freling(リチャード・フレリング)氏、そしてVinay Ayyala(ヴィネイ・アイヤラ)氏は、あるソフトウェアプロジェクトに従事していたとき、ソフトウェアの中に何かの機能を見つけてアクセスしようとすると、それが意外と難しいことに気づいた。
そうひらめいた彼らは、2020年にチームを組んで、ソフトウェアをもっと使いやすくするための埋込み型検索ウィジェットの構築を開始した。
エヴァンス氏はTechCrunchに対して「このようなパラダイムは便利なはずなのですが、実際に作るのは困難でした。そこで、私たちがそれを作ったのです」と述べた。
米国時間8月9日、CommandBarはベータを脱し、Thrive Capitalがリードする480万ドル(約5億3000万円)のシードラウンドを発表した。参加した投資家は、Y CombinatorとBoxGroup、そしてエンジェル投資家のNaval Ravikant(ナヴァル・ラヴィカント)氏、Worklife VenturesのBrianne Kimmel(ブリアンヌ・キンメル)氏、StitchFixの社長Mike Smith(マイク・スミス)氏らだ。
CommandBarのB2Bツールは「command k」と呼ばれ、ソフトウェアをもっとシンプルで速くすることを狙っている。その技術はウェブアプリケーション上に置かれる検索エンジンで、ユーザーはシンプルなキーワードでそのアプリケーションの機能にアクセスできる。また、紹介などの推奨プロンプトで、新規ユーザーをアナウンスすることもできる。
ユーザー企業は、1行のコードをペーストするだけでCommandBarを統合でき、構成ツールを使って、そのアプリケーションに関連するコマンドを迅速に加えることができる。このプロダクトは意図的にローコードとして設計されているので、顧客企業のサクセスチームが技術者のサポートなしで構成を加えれられる、とエヴァンス氏はいう。
しかし最初は売りにくかった。初期に特に難しかったのは、顧客企業がその顧客や投資家にCommandBarがやることを理解させることだった。
「電話で説明するのは難しいので、Zoom上で見てもらいました。そうすると、アプリケーションの中でそれが使われる様子がよくわかるので、販売しやすくなりました。そこから、多くの新規ユーザーを獲得できるようになりました」とエヴァンス氏はいう。
CommandBarはすでにClubhouse.ioやCanix、Stackerなども使っており、数十万のユーザーの役に立っている。CommandBarの最も多いユースケースは、新入社員などのソフトウェアの使い方の練習や訓練だ。
エヴァンス氏によると、今回得られた資金はエンジニアリングと営業とマーケティングで人を増やし、チームを大きくすることに使いたい。ベータテストは成功し、初期の顧客から好評が得られた。エヴァンス氏はその結果を、年内に予定している今後の新しいプロダクトや機能性にも活かしたいという。
Thrive Capitalの投資家であるVince Hankes(ヴィンス・ハンクス)氏は、CommandBarのプレシードの投資家の1人からCommandBarを紹介された。
彼はかねてから、B2Bのソフトウェア企業やアプリケーションに関心があり、その分野で彼が最近気になるのは、アプリケーションの単純性と機能性の間に、当然のようにテンションがあることだ。
彼によると、アプリケーションはパワーユーザーにとっても使いづらいことがときどきあるが、CommandBarはユーザー企業による構成が適切なら何でも簡単にできる。たとえばパスワードのリセットの仕方を知りたければ、「password」というワードで検索すればよい。すると、そのページへ直行できる。
「彼らのプロダクトに興味を持っている企業の種類は、とても印象的です」とハンクス氏はいう。「目立たない幅広い企業からの需要が見え始めました。実際、彼らはCommandBarを、より深いカスタマーエンゲージメントのためのツールとして使っているのです」。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:アプリ、CommandBar、資金調達、検索
画像クレジット:sesame/Getty Images
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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)